そのブイを青年に渡して浮力で補助しながら救助した。また、元ライフガードの地元男性スフィウェ・ムベレさん(Sphiwe Mbele)も救助に参加し、少しずつ砂浜へと近づいていった。
当時、波はかなり高くなかなか砂浜に近づくことができなかったが、そこで海水浴客およそ50人が手をつないで人間の鎖を作り、青年を海から引き上げるのを手伝った。この救助活動の様子は、近くのフィッシング・クラブによって撮影されている。そして溺れかけた青年は病院に搬送されたが、命に別状はなく無事に退院したという。
海難救助隊のクレイグ・ランビノンさん(Craig Lambinon)は、青年の救助に参加した人々の貢献を称えた。また、今回の水難救助の先頭に立ったファカマニさんとムコビさんが使ったピンクの救助ブイについて、2017年の導入以来、少なくとも166人の命を救ってきたと述べた。海難救助隊は2017年から「ピンク・レスキュー・ブイ構想」を実施しており、2018年には国際海難救助連盟のイノベーション・技術賞を受賞した。視認性の高いこのブイは、救助されるまでの間、緊急浮揚装置として使用できる。現在、約1,440個のブイが南アフリカの河川、ダム、海岸に設置されているそうだ。
このピンクの救助ブイの取り組みは、南アフリカのあるビーチで41歳の父親が10歳の娘を助けようとした出来事をきっかけに始まった。娘が妹と波打ち際で遊んでいる時に強い流れに巻き込まれ、それを見た父親が助けに向かった。娘は一命を取り留めたが、助けようとした父親は溺死してしまった。浮き輪が近くにあればこの悲劇は防げたという思いから誕生したこのピンクのブイが、今回また一人の命を救った。
画像は『Daily Maverick 2023年12月3日付「Port Edward beachgoers form human chain to help save man caught in riptide」(Photo: Supplied)』『Good Things Guy 2023年12月4日付「50 Bystanders Formed a Human Chain to Save a Man from Drowning in Port Edward」(Photo Credit: National Sea Rescue Institute)』『WGNTV.com 2021年4月15日付「WATCH: Beachgoers form human chain to save Gulf swimmers」』『Metro 2022年6月1日付「Strangers form human chain to save girl from drowning in lake」(Picture: WXYZ-TV Detroit/Channel 7)』『The Sun 2020年8月21日付「CHAIN OF LIFE Incredible moment crowd forms human chain to rescue two swimmers from surf at Durdle Door」(Credit: Bournemouth News)』『Rosalind Beckton 2017年7月8日付Facebook「People with Hearts」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)