クリニックは基本無料で野良犬の数を減らすため避妊や去勢手術も行っているという。クリスさんは「利益よりも、地域で暮らす動物たちがしっかり去勢され、予防接種をし、健康であることを優先している。だから毎日予約でいっぱいだよ」と明かす。
マイケルさんがこれまでに保護した犬は2000頭以上にのぼるそうで、クリスさんは施設の一日について次のように語っている。
「起床は5時で、その日の準備を始めるんだ。朝6時に犬たちの散歩した後は、600頭の朝食の時間だ。7時になるとトラックが街に出てバンセーン地区の約350頭の野良犬たちに餌をあげ、その後は施設内を掃除する。600頭もいると、糞も半端ないんだ。そして午前10時には、ケアセンターの犬たちに水治療法や理学療法を行う。午後2時には再び散歩して、食事、掃除だよ。それが終わると車いすの整備、犬たちの健康チェック、洗濯などをしてあっという間に午後5時になるんだ。」
なお施設の一日の運営費は約14万円(40000バーツ)が必要で、全て寄付で成り立っている。しかしながらここ最近はパンデミックで寄付は40%も落ち込んでいるという。
クリスさんは「TMTRDが長きにわたり地域に貢献していることを感謝した地域の人たちが、協力してボランティアをしたり、保護した犬を引き取ってくれているよ。ただ毎月行っていた去勢キャンペーンは一時停止状態で、クリニックも週7日だった営業を5日にしてやりくりしているんだ」と厳しい運営が続いていることを明かした。
それでもTMTRDのSNSに投稿されているスタッフの顔は明るく、マイケルさんは施設で働く意義について次のように述べている。
「TMTRDでは、私たちのコミュニティの中で虐待され、病気になり、障がいを持ち、捨てられた犬たちに、第二のチャンスと素晴らしい人生を与える。犬たちにはそれだけの価値があるのだから。」
「もちろん悲しくて涙を流すこともある。でも身体が麻痺した犬が初めて車いすを付けて走った時や、酷い怪我で保護された犬が笑顔を見せてくれた時に全ての苦労が報われるんだ。」
画像は『Bored Panda 2021年2月12日付「This Thai Animal Shelter Nurses Disabled Dogs Back To Life With The Help Of Vets And Wheelchairs」(Image credits: themanthatrescuesdogs)』『The Man That Rescues Dogs 2020年11月9日付Instagram「Happy Birthday Michael!」、2021年2月9日付Instagram「We have some new followers so we’d like to introduce ourselves!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)