大好きな飼い犬がいじめられているのに耐えられなくなった子供が、家族の目を盗んでそっと犬を連れ出した。その子は「お願いだからこの子を世話して欲しい」と置き手紙を残して、見ず知らずの人に飼い犬を託した。子供の思いやりはしっかりと受け継がれ、その犬は“第2の人生”を歩み始めたという。切なく温かいニュースを『The Dodo』『Bored Panda』などが伝えている。
メキシコの首都メキシコシティにある動物保護施設「マスコタス・コヨアカン(Mascotas Coyoacán)」に昨年11月22日、「犬が鎖でベンチに繋がれていて動けないようだ」と連絡が入った。
同施設のマルセラ・ゴールドバーグさん(Marcela Goldberg)が急いで駆けつけると、犬は怯えて目を合わせようともせず、人が少しでも近づくとうなり声をあげて威嚇した。近所の人たちが水や餌を持ってきて気を引いたが全く効果はなく、マルセラさんは鎖を外すまで2時間を費やした。
マルセラさんは「それは生後7か月の子犬で、明らかに人を恐れていました。私はその場で犬の訓練士に電話をして対処法を指示してもらい、首に輪縄を巻くことでやっとその犬に近づくことができたのです。犬は鎖を外されると少し落ち着いたようでした」と当時を振り返る。
マルセラさんによると、犬のそばには子供が書いたスペイン語の手紙が置いてあり、飛ばないように石の重しが載せられていたそうだ。
そして手紙には、
「こんにちは。どうかこの犬を引き取って。犬の名前は“マックス(Max)”よ。お願い。この小さな犬を迎え入れ、世話をしてあげて欲しいの。私の犬をここに置き去りにするのは心が痛いわ。でも私の家族はいつもマックスをいじめるから、私は決めたの。だってマックスが苦しむのを見るのは悲しいから。だからお願いよ。もしあなたがこれを読んで心を動かされたなら、どうかマックスをおうちに迎えて可愛がってあげて欲しい。もしそれができないのなら、この手紙を元の場所に戻してくれる? 他の人がこれを読んでマックスを引き取ってくれると思うから。ありがとう。」
と子供の切ない気持ちが綴られていた。
事情を察したマルセラさんはまず、