伊集院も「おんなじ気持ち、この人(矢口監督)がOKといえばOKなんだっていう」と共感していた。お笑いタレントながら矢口監督に誘われて出演することになった伊集院もわけが分からずに戸惑ったようだ。
そのように西田尚美にとって苦い思い出もある初主演映画だが、低予算ながら工夫して手作りで撮影を進める現場を経験すると、さらに映画が完成して海外でプロモーションしたところ多くの人によるスタンディングオベーションに感激した。モデルの仕事を中心にしていた頃は「一人が楽」だと考えて協調性がなかった西田は、映画『ひみつの花園』を通して「皆で一緒に作る、モノづくりの楽しさを知った」という。その後も西田が映画『ウォーターボーイズ』(2001年)や『スイングガールズ』(2004年)、『WOOD JOB!神去なあなあ日常』(2014年)など矢口史靖監督の作品に出演していることからも信頼関係がうかがわれる。
今では演技派女優として活躍するようになり日曜劇場『半沢直樹』では中盤から“鉄の女”谷川幸代役で出演したが、人気ドラマだけに出来上がったチームに入っていく緊張感があり「怖かった」という。映画『南極料理人』(2009年)で夫婦役を演じた堺雅人が「ちょっと緊張してるじゃない、いつも通りでいいのに」と声をかけてほぐしてくれたそうだ。また『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』では土屋百合(石田ゆり子)の高校時代の同級生・花村伊吹役を務めるが、撮影ではやはり『逃げ恥』の世界観を崩さないように苦心したという。
ドラマの世界観を考えつつ、役作りするうえでキャストや関係者のみならず「音楽だったりロケ地だったりに助けられることが多い」という西田尚美。『ひみつの花園』で学んだ「皆で一緒に作る、モノづくりの楽しさ」が原点にあるから柔軟に変化対応できるのかもしれない。
ちなみに西田尚美が21日、Twitterで「伊集院さんのラジオ終わりました。あぁ、緊張した」とトークが盛り上がった映画『ひみつの花園』のオフショットを公開したところ、フォロワーから「公開当時も楽しんで観ましたし、今でも大好きな映画です。西田さんファンになったきっかけの作品でもあります」、「ひみつの花園を観て、この業界に入りました」、「人生変えた作品!」などの反響があり、根強いファンが多いようである。
画像2、3枚目は『西田尚美 2020年12月21日付Twitter「伊集院さんのラジオ終わりました。」「鈴木家の家族と、矢口監督と。」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)