サッカーで学校の代表を務めるなど活発に過ごしていた。大きな健康問題は抱えておらず、その日は卒業写真の撮影を行うなど、いつも通りに過ごしていた。その日の夜には軽い頭痛があったそうだが、すぐに良くなったためテレビゲームをしてから就寝したという。それからガブリエルさんは一度起きて部屋を出て、再び部屋に戻ってくる時に転倒してしまった。
デインスさんに見つけてもらった当時のことを、ガブリエルさんは「痛みはありませんでした。しかし右腕を持ち上げたり右手を握ったりすることができず、視界がぼやけていました」と振り返る。
ガブリエルさんの症状を見たサビ医師は、「もし回復したとしても、24時間体制のケアが必要になるかもしれない」と考えていた。しかしガブリエルさんは治療を受け、理学療法や作業療法、言語聴覚療法などのリハビリを懸命にこなした。そして脳卒中を起こしてから約2か月が経過した現在、普通に話せる状態にまで回復している。
ガブリエルさんがここまで回復できたのは、アクセルがガブリエルさんの異変に気がつき、すぐにアマンダさんたちに知らせたことが大きいと、サビ医師は話す。「虚血性脳卒中では、1分経過するごとに何百万もの神経細胞が失われ、言語や動作に大きな影響をもたらし、死に至ることもあるのです。もしアクセルが両親を起こさず、さらに3~4時間が経過していたら、生活に支障をきたすほどの状態になっていたかもしれません」と、アクセルの行動を称賛した。
アマンダさんは、「ガブリエルは17歳ですし、当時は土曜で休みだったので、部屋に入って起こしに行くことはまずなかったと思います。私たちも前の晩は遅く寝たので、正午になるくらいまではガブリエルの部屋に入るつもりはなかったのです」と話しており、素晴らしい活躍を見せたアクセルに、小さなメダルを作って首輪に付けることを考えているそうだ。
ガブリエルさんは「アクセルは勘が鋭く、落ち込んでいたりストレスを抱えていたりすると、すぐにそれを察知してどうにかしようとベストを尽くしてくれます。あの日の朝も、何かがおかしいと感じ取り、助けが必要だと思ったのでしょう」と、アクセルの行動を振り返った。続けて、「今回の件で、“悲しくなるようなことでくよくよ悩まない”と考えるようになりました」と新しい人生観を得たとコメントしている。
テックインサイト編集部ではアマンダさんに、アクセルとガブリエルさんのこれまでの交流についてや、アクセルが鋭い勘を持つようになったのは何が原因と考えているかなどをうかがうべく取材を申し入れている。
ちなみに2018年には、愛犬が数週間も飼い主の右胸に鼻を押し当て続け、乳がんの事実を伝えたケースが注目を集めていた。
画像は『New York Post 2023年10月25日付「Dog saves teen from deadly stroke: ‘He can tell when something is wrong’」(Facebook/Amanda Tanner)』『ABC News 2023年10月25日付「Family dog alerts parents as 17-year-old suffers stroke in the middle of the night」(Family of Gabriel Silva)』『Nottinghamshire Live 2023年8月11日付「Dog told owner she was sick hours before symptoms using buttons」(Image: Christina Lee/SWNS)』『The Dodo 2023年7月19日付X「This is the most empathetic and loyal dog ever」』『The Mirror 2022年3月1日付「Woman credits chihuahua for saving her life after the dog jumped on her stomach」(Image: Craig Connor/ChronicleLive)』『The Courier 2021年5月21日付「Fantastic Fergus: The clever Angus canine who is woman’s best friend after raising alarm over injured 91-year-old neighbour」』『Anna Neary 2022年1月3日付Facebook「So long story short this beaut saves my life my harvey in 2018」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)