葉をモチーフにしたシルバーの刺繍が全体に施されている。
左肩下には、若き日のエリザベス女王の肖像画を黄色いリボンで装飾した“ロイヤル・ファミリー・オーダー”と呼ばれるブローチをつけ、左胸下にはシュタインマイヤー大統領から授与されたドイツ連邦功労勲章の大十字章(特別クラス)をつけていた。
そして王妃がジュエリーに選んだのは、エリザベス女王とクイーンマザーが愛用したダイヤモンドのネックレスとティアラだった。
エリザベス女王が所有したネックレスは、ゴールドとシルバーの台座にダイヤモンドを配し、全体がフリンジ(房飾り)のように仕立てたデザインだ。1947年にエリザベス王女(当時)がフィリップ王子(当時)とロイヤル・ウェディングを執り行った際にロンドン市から贈られたもので、“シティ・オブ・ロンドン・フリンジ・ネックレス(City of London Fringe Necklace)”と呼ばれている。
また王妃の頭上に輝いていたのは、チャールズ国王の祖母クイーンマザーが愛用した“グレヴィル・ティアラ(Greville Tiara)”だ。
ハチの巣のようなデザインにダイヤモンドを配したもので、フランスの宝飾店「ブシュロン」が手掛けたことから“ブシュロン・ハニカム・ティアラ(Boucheron Honeycomb Tiara)”としても知られている。
このティアラは、ジョージ5世の妻メアリー王妃の友人マーガレット・グレヴィル夫人のために作られたものだ。夫人の夫ロナルド・グレヴィル氏は早くに他界し、夫妻の間に子供はいなかった。そのため夫人の死後には、ティアラを含むジュエリーコレクションがメアリー王妃の息子ジョージ6世の妻エリザベス王妃(のちのエリザベス女王の母、クイーンマザー)に寄贈されたのだ。
クイーンマザーはティアラを受け継いだ後、センターと最上部にダイヤモンドを追加し、さらに豪華なデザインに生まれ変わった。
クイーンマザーの死後、ティアラはエリザベス女王に引き継がれた。女王は2005年、チャールズ皇太子(当時)と結婚したカミラ夫人(当時)に長期の貸し出しとして贈っていた。
The King and Queen Consort have arrived for the State Banquet:
– Camilla is wearing a black evening dress with silver embroidery by Bruce Oldfield, the Boucheron diamond Tiara, the Grand Cross (Special Class) of the Federal Order of Merit (given today by the President) and the… pic.twitter.com/Hry6x5WU5i— Emily Nash (@emynash) March 29, 2023
画像は『Clarence House 2022年3月18日付Instagram「Today it has been announced that The Duchess of Cornwall,」』『The Royal Family 2023年3月29日付Instagram』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)