線路上に車体をある程度進めないと電車が見えないのだ。
これに加え、アレクサンダーさんは左耳に聴覚障がいを持っていた。この2つが合わさってしまったことで、今回の衝撃的な事故が発生してしまった。
電車から発せられた大きな警告音に気付いたが、すでに踏切を渡り始めていたアレクサンダーさんは「どれだけ電車から離れることができるのか分からなかったけれど、アクセルを踏んで踏切から出ようとしたんだ」と当時を振り返る。
必死に電車との衝突を避けようとしたアレクサンダーさんだったが、車の後部が電車と接触してしまった。電車に突撃され大きな衝撃を受けたアレクサンダーさんは絶望的な状況だったが、幸いにも電車は車の後ろ半分だけをえぐっていた。
フロントガラスに大きくヒビが入ったものの、アレクサンダーさんが座っていた運転席には大きな影響はなく、無事に車から脱出することができた。
アクセルを踏むのが数秒でも遅ければ、運転席ごと電車に轢かれてしまっていた可能性もあっただけに、「生きているのが信じられません」とアレクサンダーさん本人も驚きを隠せない。
地元メディア『WISN』が事故当時の心境についてアレクサンダーさんに尋ねると、「風と圧力、そしてエアバッグが開くのを感じました。正直なところ、何を感じたらいいのかも分からない状態でした」と明かしている。
ちなみにこの日は2児の父親でもあるアレクサンダーさんの33歳の誕生日だったそうで、幸か不幸か恐ろしい事故から命が助かったことが誕生日プレゼントとなったようだ。また今月25日はサンクスギビングデー(感謝祭)でもあり、アレクサンダーさんは「感謝を大きく超えた出来事だよ」とコメントしていた。
画像は『WISN 2021年11月12日付「Amazon delivery driver struck by train can’t believe he survived」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)