この事態を知った動物愛好家で知られるイギリスのコメディアン兼俳優のリッキー・ジャーヴェイスが24日、Twitterで「拝啓、人間よりも動物を優先すべきではないと言っている愚か者へ。1、動物は人間が入れないような場所に(人命救助のために)行ける 2、この飛行機は資金調達によってチャーターしたプライベートジェットであり(動物に加え)他の人たちを救う(乗せる)こともできる飛行機だ」と英国防総省への非難とも取れる内容をツイートした。
このリッキーの一言が効いたのか、のちに英国防総省から犬や猫の退避許可が降りることとなり、さらにスタッフのイギリスへの入国も許可されることとなった。ペンさん一行はさっそく犬や猫をトラックに乗せてカブール国際空港へと向かった。
だが空港にトラックが入ろうとしたところ、タリバンの警備隊がペンさんらに向かって銃を構え、空港へ入るのを阻止したのだ。ペンさんたちは空港の入り口前で留まることを余儀なくされてしまったが、心配なのは灼熱の太陽が照りつける状況下にいる動物たちだった。
ペンさんらはケージの中にいる動物たちが熱中症にならないよう、ひたすら霧吹きで水をかけて冷やしてあげなければならなかった。またイギリス軍に連絡を入れて助けを求めたが「何もできない」との回答だったため、彼は直接タリバンの警備隊に空港へ通すよう必死に交渉を続けるしかなかった。
結局、タリバンの警備隊はイギリスのパスポートを持つペンさんと動物たちを空港内に入ることを許可したが、アフガニスタン人であるスタッフは飛行機に乗ることを禁じられ、そこから先の空港内へ入ることは許されなかった。ペンさんは「別れを告げる時に、涙がとめどなく流れてしまった」と語っている。
その後、英国防総省ではペンさんと動物たちがタリバンの警備隊から逃れた後、無事にイギリス軍の支援を受け、飛行機に搭乗する予定でいることをTwitterで明かした。そしてペンさんの努力が報われ、29日早朝にチャーターした飛行機によって無事ロンドン・ヒースロー空港に到着した。
犬や猫たちはこれから狂犬病などの検疫のために4か月間、所管の施設に留まることとなるそうだ。ところが英メディア『The Mirror』では、「動物が病気にかかっていると分かった場合、殺処分になる可能性がある」との政府関係筋の情報を伝えている。ここまで尽力してきたペンさんだが、現在は動物たちの検疫が終わるのを待つしかないようだ。
speaks for itself. Animal welfare and humanitarian disaster brewing due to MoD not getting those gates open @benwallacemp @domdyer70 @PeterEgan6 @marcthevet @Nowzad @alpacapower @daily_politics @TheSun @thedailymail @washingtonpost @NewYorktimes_ON @ReutersWorld pic.twitter.com/Bh9L4ptrf4
— Dr Iain McGill BSc(Hons) BVetMed MRCVS (@IainTime) August 26, 2021
画像は『The Sun 2021年8月27日付「SAFE AT LAST Pen Farthing and his rescue dogs WILL board evacuation jet after being plucked to safety by Brit army at Kabul airport」(Credit: (C)Jerome Starkey 2021)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)