海外発!Breaking News

writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】バルコニーで転落寸前の4歳児を救った移民男性 “パリのスパイダーマン”と称賛される<動画あり>

消防署スポークスマンは「体を鍛えた身軽な男性が勇気を出してくれたことにより、子供が無事に救われました」とコメントしている。

マモウドウさんのこの勇気ある行為はたちまちパリ市内に広がった。アンヌ・イダルゴ市長は自らマモウドウさんに連絡をし、勇敢な行為を称賛するとともに子供を救ってくれたことへの感謝の気持ちを伝えた。その時市長は、マモウドウさんがマリ共和国から数か月前にパリにやってきたばかりの移民であることを知った。マモウドウさんは母国を出た後にリビアで1年以上過ごし、その後2014年に諸手続きを経てイタリアに合法的に滞在した。2017年9月からフランスに長く暮らす兄を頼って入国していたが、同国には不法に滞在していたようだ。

パリでこれからの人生を過ごすことを願っているマモウドウさんへの支援を約束したアンヌ市長は、「彼は夢を持ってパリにやって来たばかりです。彼の英雄行為は全ての市民にとって手本となるものですから、市としても彼がフランスで落ち着けるようにサポートしていきたいと思っています」と話している。また、この件を知ったフランスのエマニュエル・マクロン大統領は5月28日の朝、マモウドウさんを大統領官邸エリゼ宮へと招待し彼の勇気ある行為を称えた。マクロン大統領からは、パリ消防旅団(BSPP)の仕事とフランスの市民権が与えられることになったという。

マモウドウさんは地元メディア『Le Parisien』に、「子供を助けたい一心でやったこと。無事に救助できてよかった」と語っている。なお警察の調べで当時、男児の両親は自宅にいなかったことが明らかになり、父親は育児放棄で一晩拘留され9月には裁判所に出廷を命じられている。父親は男児をひとり家に置いて買い物に出たついでにポケモンGOに夢中になり、予定していた時刻よりも帰宅が遅れてしまったと事情聴取で述べているようだ。男児の母親は、この時パリ市内にはいなかったとされている。

この件以降、マモウドウさんは“パリ18区のスパイダーマン”というニックネームで呼ばれるようになった。ニュースを知った人からは「他の群衆は何をやってたんだか…」「隣から支えている人、もっと真剣に救助に加担すればいいのに…」「片手でひょいと子供を救い上げるのが凄い! 本当に彼はヒーローだね」「世の中にもっとこういう人がいればいい」「結局、国を支えているのは懸命に働いている移民たちの力だと思う。だから国も強くなっていくんだよ」「この英雄行為はメダル授与に値するな」といった声があがっている。

画像は『Metro 2018年5月28日付「Mamoudou Gassam who climbed building in Paris to save child on balcony is declared a hero」(Picture: Habib Bibou/Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

“パリ18区のスパイダーマン”のマモウドウさん(画像は『Metro 2018年5月28日付「Mamoudou Gassam who climbed building in Paris to save child on balcony is declared a hero」』のスクリーンショット)

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