井上は忌野清志郎を知って「名前に忌まわしいが入っているなんて…客に向かって『烏合の衆』と歌うし面白いな~」と興味を持ったという。2人はのちに『帰れない二人』を合作した。
奥田民生との出会いも偶然である。20年ほど前に井上が自宅で息子に「最近はどんな歌を聴いてるの?」と話しかけたところ、ユニコーンの『雪が降る町』を聴かされたのが始まりだ。
彼が屋台でそれを「世の中は…どうか元気で…」と一節歌うので華丸・大吉も「生歌がありがた過ぎてリアクション出来ない」というほど聴き入った。
井上は『雪が降る町』のエンディングに「なかなかイイ感じで締めてるな~」「奥田くん、素晴らしい」と感心して奥田民生を認識する。やがて2人は交流するようになり「PUFFYのデビュー曲をお願いしたい」とオファーされ『アジアの純真』が生まれるのだ。その話題になると、大吉はそれまで抱えていた「日本の歌謡史で一二を争う“意味がわからない”歌詞ですよね」という疑問をぶつける。
すると井上は奥田民生が曲を作って送ってきたデモテープに、歌詞はないがメロディをハミングで歌っているのを「フニャフニャ言ってるわけよ、それを解読したんだよね」と明かす。それが「北京 ダブリン…」という歌詞になったのだから「意味が分からない」のは無理もない。奥田にもその件は伝えたが、井上自身も「この詞を受け入れてくれたのは、まあびっくりしている」そうだ。
『少年時代』と言えば、井上陽水最大のヒット曲で音楽の教科書にも載るほどの代表曲とされる。大吉が「『少年時代』のエピソードが好きで!」と「夏の歌がないよね~」という理由で作ったという「伝説」を確認したところ、またしても「ガセ」だと否定される。
井上が友達とピアノを弾きながら遊んでいる時に「ママさんコーラスって何かおかしいよね~」と「ららら~♪」とふざけてモノマネして笑っているうちに「一曲できた」のが真相だ。それに歌詞をつけて『少年時代』が生まれたのだから何が幸いするか分からない。
ちなみに2年ほど前、華丸・大吉が井上陽水と食事した際に「若手アーティストで良さそうなのは誰ですか?」と聞くと、「1個いいのがおる」とまだあまり売れていなかったゲスの極み乙女。の名前を出した。
今回のロケで「最近は誰かいます?」と再び問うたところ、井上は「UNISON SQUARE GARDENはいいなと思う」と答えた。会ったことはないがYouTubeで音楽フェスの映像を見て気になったという。
この『華丸・大吉SP』シリーズはかつてゲストにナインティナインを迎え、今回は井上陽水と大物が続く。次はできればタモリあたりを期待したい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)