米テキサス州南東部で、生まれて間もないフェイス・メイソンちゃんが実母クリスティーン・ジョンソンに連れられてA&E(救命緊急センター)に来たのは2013年のことだった。
対応した医療スタッフらが「今までに見たことがないほどの最悪のケース」と語るほどフェイスちゃんは両腕、両脚、首、肩など全身40か所以上骨折をしており、まるで建物と建物の間から落とされてできる外傷と同類の酷さだったという。さらにクリスティーンがフェイスちゃんを無理やりベビーベッドから引っ張り出そうとした時に、脳にダメージも与えてしまっていた。
当時生後1か月だったフェイスちゃんの体にあった虐待の痕跡は、誕生後わずか1週の時からできていたものだということが判明した。言葉も話せず生まれたばかりの娘に残忍な虐待を繰り返したクリスティーンと、妻の娘への虐待に見て見ぬ振りをしていた父親のダレルは逮捕された。
2015年に2人には有罪判決が下され、クリスティーンには65年、ダレルには25年の実刑が科せられた。昨年の裁判所のヒアリングで、検察官は「フェイスちゃんはまだチューブで流動食を与えられており、左腕は完治していない」と述べていたという。
現在のフェイスちゃんはまだ回復の途中ではあるが、すでに新しい家族とともに暮らしている。本人らの意思で詳細は明かされていないが、フェイスちゃんは半年前から養父母と3人の10代のきょうだいたちとの新しい生活を始め、同州の児童保護サービスによると3月10日に正式にフェイスちゃんがこの家族の子供として迎え入れられることになったそうだ。
世界中で起こる児童への虐待はあとを絶たず、聞くに堪えない悲しいニュースが蔓延している。3歳になったばかりのフェイスちゃんが、新しい家族に囲まれて愛ある暮らしが送れるようにと祈らずにはいられない。
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)