広東省広州市に暮らすLiu Peihuaさん一家。9月20日に可愛い男の赤ちゃんに恵まれたが、やがて開けるはずの目がいつまでも閉じたままなことに気づき、瞼を指で開いてみたところ眼球が存在しないことを知った。
赤ちゃんが片方、あるいは両方の眼球を持たずに生まれる。これは「無眼球症」と呼ばれるもので、染色体異常や胎児期に発生した遺伝子の突然変異が原因となる。同メディアは専門家の解説として、その変異を引き起こす原因に妊娠中の各種ウイルス感染、農薬、毒素、放射線、化学・医薬品、X線被ばくの影響が挙げられるものの結論は出ていないとしている。
母親が妊娠中に受けた超音波検査でその事実は突き止められておらず、誕生後も授乳ほか成長にはなんら問題が起きていないため、両親のショックはかなり強い。「息子の将来のため慈善財団や寄付金に助けてもらいながら治療を受けさせたい」と話しているが、今のところ視力を得るような治療方法は存在しない。眼窩周辺の骨や軟組織の成長を待ち、外観上の観点から義眼を埋め込むことになるという。
PM2.5をはじめとする大気汚染や土壌、水質の汚染がはなはだしく、危険な生鮮、加工食品が出回っている中国。環境ホルモン(化学物質)が生き物の精子、卵子、そして細胞分裂を繰り返す胎児期にどれほど深刻な悪影響をもたらすか、人々にその知識が備わっても環境そのものがなかなか改善されない。
これまでは赤ちゃんの出生10万人につき1人が「無眼球症」を伴って生まれると考えられてきた中国だが、多指症ほかの奇形も増加傾向にあるだけに「無眼球症」も確実に増えていくことが予想される。その中国がすぐ隣の国であることを忘れるわけにはいかない私たちである。
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)