全米航空運輸協会「National Air Transportation Association」とメリーランド大学の調査によると、格納庫内の清掃費用や損害賠償の金額を合わせると、平均で100万ドル(約1億4800万円)にもなるという。また、2004年から2020年の間に発生した類似のケースでは、最高で2億3500万ドル(約350億円)もの膨大な金額になっていた。
近年、今回と同様にシステムエラーで消火装置が誤作動してしまうケースが複数確認されている。2020年3月には、ロサンゼルス国際空港にあるデルタ航空の新しい格納庫の1つで、消火用の泡が大量に放出された。泡は格納庫いっぱいになっても止まらず、外にまで漏れ出ていたという。
さらにこの約6週間後には、英ロンドンのヒースロー空港で格納庫に駐機していたブリティッシュ・エアウェイズのボーイング777-200ER(G-YMMB)が、数トンにも及ぶ消火用の泡に覆われてしまうケースも発生していた。当時は同航空会社に不満を持っていた従業員の仕業だと報じられていたが、「消火システムは自動であり、個人が作動させることはできない」とブリティッシュ・エアウェイズは報道を否定していた。
また2020年5月16日、シカゴ・オヘア国際空港ではアメリカン航空のボーイング787 ドリームライナーが駐機していた格納庫で類似のケースが発生していた。どのケースでも専門家による清掃や、腐食が起きていないかなどの調査が行われ、以降のフライトに影響が出ないことを確認するため、慎重に作業が行われた。
なおテックインサイト編集部では現在、飛行機の所有者の1人に、被害の状況や格納庫の管理者であるマッキニー市の対応について詳しい話をうかがうべく取材を申し込んでいる。
A significant amount of foam is seen in security camera footage as a hangar at McKinney National Airport in #Texas malfunctions, triggering the foam fire-suppression system.
This results in the dousing of millions of dollars worth of airplanes with highly-corrosive foam. pic.twitter.com/yIRFn17qEO
— OSINT WWIII (@OsintWWIII) November 17, 2023
画像は『Ryan Cave 2023年10月28日付Facebook「No, this is not snow in McKinney, TX」』『Airlive.net 2023年11月20日付「Multiple private aircraft damaged due to accidental foaming in Dallas」』『BNN Breaking 2023年11月18日付「Technical Glitch Triggers Foam Deluge at McKinney National Airport」』『Shauns_Aviation 2023年7月9日付X「Another photo from the ramp! Photo via Lorcan Meehan on Facebook」』『Fatih 2023年8月16日付X「Burası İstanbul olsa beğenirdiniz, ama burası malesef Frankfurt 16.08.2023」』『Nini Castaneda 2017年6月29日付Instagram「So Gardermoen airport collapse today.」』『Macon Telegraph 2023年1月18日付「Woman with fire extinguisher walks through Atlanta airport spraying people, video shows」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)