先月28日、米テキサス州にある飛行機の格納庫で消火システムが誤作動し、格納庫内が泡だらけになるアクシデントが発生した。監視カメラの映像には、飛行機を埋め尽くすほどの泡がとめどなく流れる光景が映っていた。この泡は化学成分を含んでおり、清掃及び損害賠償の費用は100万ドル(約1億4800万円)に上る可能性があるという。航空ニュースメディア『Simple Flying』などが伝えた。
米テキサス州ダラス近郊にあるマッキニー・ナショナル空港の格納庫で10月28日、庫内が泡だらけになる様子を監視カメラが捉えた。庫内には3機のビジネスジェット機と2機のプロペラ機が確認でき、カメラの目の前で、上から白い泡のようなものが降り注ぎ始めた。画面左側の壁に沿って、奥でも数か所で泡が天井付近から注がれている。映像は早送りになっており、泡が床を埋め尽くすと、あっという間に飛行機の翼に到達するほどの高さになった。
この映像の後、現場を目撃した人が写真撮影しており、泡が外にまで漏れ出している様子が写っていた。まるで雪が積もったかのような光景で、格納庫の外に停めていた車も半分ほど埋まっている状態だ。
本来、この泡は火災が発生した際、消火を行うために放出されるものだ。しかし、機械のエラーにより消火システムが誤作動し、出火していないにもかかわらず大量の泡が放出されてしまったのだ。
この泡は単なる泡ではなく、化学物質が含まれている腐食性の高いものだった。航空機に関する保険会社「United States Aircraft Insurance Group」で保険金請求担当ディレクターを務めるケリー・ポーターさん(Kerry Porter)は、「アビオニクス・ベイ(航空機に搭載される電子機器が置かれる場所)に腐食性の泡が侵入した場合には、腐食が進んで支障をきたします。メーカーによっては将来的に故障の可能性があるため、交換が必要になります」と話している。また清掃に関しては、「泡を取り除くだけの単純作業では済まない」とも説明している。
これらの理由から、