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writer : tinsight-masumi

【海外発!Breaking News】「二度と行かない」小さな田舎町のレストラン、配膳ロボット導入後に地元民の怒りを買う(米)

レストランのFacebookには4月18日、プラトの写真を添えてこのように綴っていた。

「料理がこなくてイライラしたことはありませんか? そんなあなたの声に耳を傾けました! 私たちのフルタイムサーバー兼バーテンダーアシスタントのプラトをご紹介します! プラトがお客様に素早く料理を運び、テーブルの片付けのお手伝いもいたします。私たちのチームにようこそ、プラト!」

配膳ロボット「プラト」の導入を報告したレストラン「ザ・カザデロ」のFacebook。「私たちの静かな町から消え失せろ」といった声も届いてしまった(画像は『The Cazadero 2023年4月18日付Facebook「THave you been frustrated waiting for your food while your server is helping other customers?」』のスクリーンショット)

ところがプラトを導入したことで、一部の地元の人たちから「もう二度と行かない!」「ノーサンキューだよ!」「私たちの静かな町から消え失せろ」といった声があがった。地元の人たちにとってプラトは、人間の仕事を奪いかねない存在に見えてしまったようだ。その後、コミュニティページが炎上してしまい、ページの管理者はコメントの受付をストップしたが、中にはレストランを擁護するこのような声も届いた。

「あなたたちは正気じゃない! あなたたちが『対応が遅い』って文句を言うから、店は従業員を募集していたのに…。そんなに怒るんだったら、コメントするのをやめて自分が応募して働きなさいよ!」

一方でシェリーさんは、米ニュースメディア『Fox News』のインタビューに応じ、「ロボットを導入したことで人々が『レストランに来たくない』と言うとは思いもしませんでした」と吐露した。しかしレストランに併設されているバーの常連客の何人かはプラトを楽しんでいるようで、そのうちの一人、ベトナム戦争に従事した退役軍人のロイさん(Roy)は「プラトは通りかかるたびに『こんにちは』って挨拶してくれるんだよ」と話している。

そしてシェリーさんは、最後にこう述べた。

「この町の皆さんは小さな田舎町であり続けることを好み、新しいテクノロジーが入ってくることは望んでいないのです。とはいえ、私たちは成長して規模も倍になっているし、ここに引っ越してくる人たちもほとんどが都会からなんですよ。あまり言いたくはありませんが、人口も人々の層も大きく変わってきているのです。私だってみんなを喜ばせたいけど、ここは小さな町ですからね。」

プラトは現在、レストランで大きな役割を果たしているが、ロボットも長時間働くと限界に達するようだ。今年4月には、米オレゴン州の「アジリティ・ロボティクス(Agility Robotics)」社が開発した、倉庫や物流センターなどで人間の代わりに荷物を運ぶロボットが、長時間働き続けた後に気絶するように突然崩れ落ちてしまった。倒れたロボットの動画がSNSでシェアされると、多くの人から「休憩が必要だったのかも」「過労死かな」といった冗談交じりのコメントが見受けられた。

画像は『New York Post 2023年7月30日付「Small town restaurant’s robot waiter enrages locals, drives customers away: ‘I will never go there again’」(FOX News)』『The Cazadero 2023年4月18日付Facebook「THave you been frustrated waiting for your food while your server is helping other customers?」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

配膳ロボットを導入したオーナーのシェリーさん。「ロボットを導入したことで人々が『レストランに来たくない』と言うとは思いもしませんでした」と吐露している(画像は『New York Post 2023年7月30日付「Small town restaurant’s robot waiter enrages locals, drives customers away: ‘I will never go there again’」(FOX News)』のスクリーンショット)

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