高見沢：映画をシネコンで観ることですね。それって結構リフレッシュになってますね。『THE FIRST SLAM DUNK』なんて7回以上観たかな。観終わるたびに、また観たくなってしまう映画でした。

―7回ですか！　坂崎さんはいかがですか？
坂崎：僕は趣味が多くて、でも音楽もリフレッシュの一つですね。仕事が趣味ですから（笑）。あとはYouTubeを結構観たりしますね。あとはギター屋やカメラ屋さんの情報を収集したり。あと最近ハマっているのは量子力学ですね。面白いんですよ、量子（漁師）って魚を釣る人のことを言うんですけど…（笑）。
高見沢：おーい、それは違うだろ。量子の世界ですね。
坂崎：この世の中が仮想現実じゃないかという説が本当に物理学的に証明されつつあるんですよ。光より速い物があるという事も証明されて、アインシュタインの光より速いものはないという説は否定されちゃったんです。めちゃくちゃ面白いですよ。勉強することがリフレッシュになります。

―では桜井さんはいかがですか？
高見沢：飲酒（笑）。
坂崎：夕方4時から（笑）。
桜井：確かにそうです！　リフレッシュするには、結局矛先が変わればいいと思うんですよね。現実から少し離れるというか。例えば、高見沢は曲を作ったり、小説を書いたりするので、矛先を変えて映画を観る。矛先を変える世界が自分にとって好きだと思えれば簡単にそっちに行けてリフレッシュできますよね。そういうものが簡単に見つけられない人は、お酒を飲んでテレビを観ているのが一番なのかなって思います。

■『Never Say Die』は自分たちへのメッセージ
―もう一曲の『Never Say Die』は、イントロからアコースティックギターやエレキギターが聞こえて、コーラスが盛り込まれて、メッセージ性も強く、THE ALFEEならではの楽曲ですね。
高見沢：3人ならではのスイッチボーカルで歌っていますし、「Never Say Die」は「弱音を吐くな」という意味ですが、来年はデビュー50周年を迎える自分たちに向けてのメッセージでもありますね。「50年経っても弱音を吐かないで頑張っていきましょーん」みたいな。
坂崎：「いきましょーん」って軽いな（笑）。
桜井：いいなあ、その軽さが（笑）。

■コンサートで新曲の反響は？
―（笑）。この新曲2曲は、現在開催中の春の全国ツアーですでに披露されていると聞きました。シングルのリリースより先にコンサートで演奏するのは久しぶりでしょうか？　反響はいかがですか？
坂崎：まだお客さんが（曲を）知らないので新鮮ですよ。『鋼の騎士Q』はドラマで少し聞いたことがあるかもしれませんが、『Never Say Die』は本当にみんなまっさらな気持ちで聴いてくれているから、終わった後の拍手や歓声がすごいです。
桜井：発売の1か月ぐらい前から（コンサートで）やっているわけですが、（リリースに先駆けて演奏するのは）最初はまだ誰も知らないから少しだけ気が楽でしたね（笑）。

■久しぶりのファンの声援に感動！
―コンサートと言えば、コロナ禍以降、このツアーから声出しが解禁になりました。久しぶりのファンの方々の声援はいかがですか？
高見沢：改めて声援のありがたさを実感しています。「やっぱりこれだよな！」って。声援があってこそのライブですから。コール＆レスポンスで僕らのサウンドに応えてくれる、それがすごく嬉しいですね。感動ですよね。鳥肌が立ちました。
坂崎：開演前からすごかったですからね。声が出てましたね。各地声援がすごいと思う。
高見沢：コロナ前よりも全国の会場で熱狂度が上がっているんです。福岡公演の2daysは立ち見まで出ましたからね。
桜井：コロナ禍で動画や配信でアルフィーを知ってライブに来てくれた、新しいお客さんも多いと聞きますし、とても嬉しい事ですね。
坂崎：各地のイベンターから聞いた情報によると、コロナの後にライブを再開しても、7～8割ぐらいしかお客さんが入らない。みんな家を出ること自体が億劫になっているというか。このコロナ禍で皆さんの生活習慣が大きく変わってしまったのかもしれないですね。ただアルフィーの場合はありがたいことに全く逆ですね。イベンターの人たちも「ツアーを再開して勢いが前と変わらないのはアルフィーぐらい」って言ってましたよ。
高見沢：コロナ禍を越えて、ツアーが始まって、待ってましたとばかりに皆さんがコンサート会場に集まってくれるという、その情熱が嬉しいですよね。僕らもその期待にちゃんと応えていかないとって思いますね。

―また7月29日・30日には毎年恒例の夏のイベントが横浜アリーナで開催されます。こちらも久しぶりに声が出せるコンサートになりますね。
高見沢：そうですね。横浜アリーナでは前回の2021年は無観客ライブでしたから、そういった意味では、久々の夏のイベントらしいイベントにしたいと思います。僕らも堪能したいですね。
坂崎：さっきも言いましたが、今回の春のツアーはコロナ前より声援が熱い気がする。
桜井：本当にすごいです。
坂崎：夏の横浜アリーナも、めちゃくちゃ楽しみですね。

■50年はあっという間。実感は？
―ところで結成50周年ということで、前回のインタビューでは「あっという間」というお話がありましたが、今は50年経ったという実感は湧いていますか？
坂崎：やっぱりあっという間かな。思い出すのは昔のことですね。
桜井：ひとつひとつ取り上げるととてつもない量があるけど、でも「50年」って言ってしまうと早かったなって思うところもありますね。
坂崎：30周年、40周年って経験してきましたけど、やっぱり50周年ってなると全然違いますね。半世紀だもんね。そば屋で言ったら老舗ですからね。創業50年、創立昭和48年だから、結構老舗だなぁと思いますね。

―休止せずに50年続いているバンドは他にいないのではないでしょうか。
高見沢： 50年続いているバンドは世界的にみても、そうはいないみたいですね。ここまでずっとコンサートをコンスタントにやり続けて、現役で新曲やアルバムを出し続けているグループはアルフィー以外に見つからなかったって。
坂崎：俺達にとっては当たり前のことだけど、それって、結構すごいことかも。

■THE ALFEEが半世紀も続いた要因は？
―よく聞かれる質問だと思いますが、改めて長く続いた要因は何でしょうか？
高見沢：「馬が合う」とか「この3人だからできる」というのは大前提としてありますが、半世紀続けようって考えてこなかったからかな？　デビューした時も50年続くとは夢にも思わなかったし、何年やろうとも思わなかったから。ただ日々の積み重ねが、気がついたら50年かと。コンサート本数もそうですからね。
坂崎：無理して頑張っているのとは違うからね。あとは支えてくれるファンの人たちがいなかったらここまで続かない。続いた要因はファンが偉い！　
高見沢：そうだね！　ファンが偉い！　見捨てなかったことが偉い！　心から感謝ですよ。ファンの方がいたからこそここまで続いたわけですからね。
桜井：その通り。
坂崎：毎年ツアーができるのも、ファンが僕らのツアー待ち望んでくれているからであって、お互いの信頼関係の上に成り立っていることだと思います。これがなかったら50年は続かないでしょうね。

■仲の良さは特別でも何でもない、普通のこと
―「馬が合う」というお話がありましたが、本当に仲が良いですね。
高見沢：これが普通なんですけどね…。
桜井：学校の同級生だったら、卒業してめったに会えなくても一度会ったらその時代のことを思い出してワーッと盛り上がるでしょ？　それがずっと続いているので。僕らとしては特別でも何でもないし、普通にしていることを周りの人が「仲がいいね」って思うのかも。

―するとあくまでも自然体ということでしょうか？
桜井：もちろんそういう関係だから、続けて来れたんだと思う。
坂崎：無理をしないこと。
高見沢：そこは重要ですね。

■50周年にやってみたいことは？
―50年の節目として何かやってみたいことや、企画されていることはありますか？
高見沢：まだ春のツアー中ですし、ツアーをやりつつ考えてはいますが、具体的にはまだ本当に何もないですよ。
坂崎：勿論！　何かやりますので、期待していてください。
高見沢：そのためにも、アルフィーのコンサートをまだご覧になっていない方には是非観ていただきたいですね。コンサートは免疫力がアップしますからね（笑）。そして、共にこの時代を乗り切っていきましょう。

現在開催中のTHE ALFEEの春の全国ツアー「THE ALFEE 2023 Spring Genesis of New World 風の時代」は7月2日の名古屋国際会議場センチュリーホールまで実施。その後7月29日・30日には夏のイベント「THE ALFEE 2023 Summer Genesis of New World 風の時代★夏」を横浜アリーナで開催する。これで日本のグループ史上最多のコンサート本数記録を2865本へ更新予定。結成50年、唯一無二のバンド・THE ALFEEは3000本へ向けて着実に本数を伸ばしている。
（TechinsightJapan編集部　取材・文：関原りあん）