海外発!Breaking News

writer : tinsight-iruy

【海外発!Breaking News】「ちょっと期限を過ぎたけど返します」 47年前に貸し出された本が図書館に返却される(米)

表紙をめくってみると手書きのメモが2枚挟まっておりそこに真実が記されていた。

「1970年代半ば、私はレイク・エルモに住んでいて古いベンツの修理を行っており、その際に参考にしようとこの本を借りました。その数か月後に私は引っ越しをしたのですが、どうやらその時にこの本を他の荷物と一緒に詰めてしまったみたいです。それから47年後、トランクの中から他の70年代の興味深い物と一緒にこの本を見つけました。」

「ちょっと期限を過ぎてしまいましたが、きっとこの本を返してほしいとお考えだと思いますのでお返しします。この47年の間にレイク・エルモで古いベンツを修理していた人には申し訳ないことをしました。とてもじゃありませんが延滞料金の全てを支払うことはできませんので、他の本を購入できるくらいのお金を送ります。」

こう書かれたメモと一緒に、ピン札の100ドル札(約1万3600円)が2枚も同封されていた。ワシントン郡の図書館は“図書館の利用をもっと気軽に”という思いから2022年1月に延滞料金を課す制度を撤廃していた。また届いた本は同じ本が他の図書館にあったため、差出人が「他の人が借りることができず困っていたのでは…」と心配していたことも問題無かったようだ。

差出人住所は不明でメモにも名前の記載が無かったこともあり、カレンさんはこの200ドルを図書館への寄付金として受け取ることに決めた。「図書館はいつでもお金を必要としていますからね、このお金は本のために使いますよ」とカレンさんは笑って明かし、ワシントン郡図書館の本部にこの200ドル(約2万7200円)を送った。なお残念ながら届いた本には油汚れなどがついており、貸し出せる状態ではないためリサイクルに出されるという。

47年も前に貸し出された本が返ってきたことにも驚きだが、ほとんどがデジタル化され現物の本を借りる人が少なくなってきている現代に、図書館の役割を大切に考えている人がいたという事実に「本を返してくれたこの方の図書館を大切に思うその気持ちが嬉しかったです」とカレンさんは喜んだ。

届いた荷物の中には1冊の古い本が入っていた(画像は『Fox News 2022年12月14日付「Library receives overdue book from 47 years ago, along with anonymous note and a surprise」(Washington County Library, MN)』のスクリーンショット)

ちなみに、今年の初めにカナダでは82年前に図書館で借りた本が返却されたというニュースが話題を呼んでいた。この図書館でも延滞料金の制度は無くなっていたが、もしまだ制度が残っていれば延滞料金は約24万円にのぼった可能性もあったという。

画像は『Fox News 2022年12月14日付「Library receives overdue book from 47 years ago, along with anonymous note and a surprise」(Washington County Library, MN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

47年前に貸し出されたというこの本には、延滞料金の代わりとして2枚の100ドル札が同封されていた(画像は『Fox News 2022年12月14日付「Library receives overdue book from 47 years ago, along with anonymous note and a surprise」(Washington County Library, MN)』のスクリーンショット)

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