2人はすぐに新生児集中治療室に運ばれて医師の監視下に置かれた。
アリソンさんは「産まれた双子の姿を一目見ただけでしたが、私の心は愛で満たされました。そして『なんとか生きて産まれてくれた』とホッとしたのです」と当時のことを語り、その後の2人の様子について次のように明かした。
「双子は生後3か月で退院し、分離手術は2020年2月に行うことが決まりました。そして双子を自宅に迎えましたが、それは喜びであると同時にチャレンジでもありました。おむつは急いで取り替えなくてはいけないし、双子がお互いのおしゃぶりを奪うことがないように注意しなければならないし…。ただ家族5人で過ごす時間はとても幸せでした。」
「そんななかでコロナ禍になり、2人の分離手術は2020年8月にまで延期されました。子供たちは日に日に大きくなっていきましたが、手術の日程が延びたことで私は不安に駆られるようになりました。」
「そうして迎えた手術の日、私と夫は駐車場で待機して病院からの連絡を待ちました。車の中で電話が鳴った時は『悪いニュースかもしれない』と心臓が止まるかと思いましたが、『2人は分離され、今おへそを作っているところです』と聞いた時は涙が溢れて止まりませんでした。」
こうして当時生後14か月だったサラベスちゃんとアメリアちゃんは約11時間をかけて分離され、手術から1か月で退院した。
アリソンさんは分離された2人に「よく頑張ったね。あなたたちはとても勇敢よ!」と声をかけたそうで、手術から2週間後に初めて2人を抱っこした時は喜びでいっぱいになったという。
2人は今月11日で3歳になり、8月で手術から2年を迎える。アリソンさんは「14か月も結合していた2人のことですから、何をするにも一緒なのかと思うでしょう。でも2人は距離を置き、それぞれに楽しみを見つけています。サラベスもアメリアも、姉のケネディー(Kennedy、5)が見守る中、全速力で走ったり、本を読んだり、遊んだり、笑ったりと大忙しなのですよ。そしてそんな3人の姿を見ることができて、私は本当に素晴らしいことだと思うのです」と笑顔をみせ、こう続けた。
「元気な2人を見ていると、まるで結合していた頃が遠い昔のようですが、私たちがこれまでの軌跡を忘れることはありません。そしてサラベスとアメリアには、胸に縦に入る傷痕は“誇りである”と教えていきたいと思っています。なぜならあの傷は、2人がどんなに強く独立した存在であるか…。その証なのですから。」
ちなみに2人は今後も定期的な検査や理学療法、作業療法などのリハビリが必要だが、普通の姉妹と同じようにけんかをし外遊びが大好きという。またアメリアちゃんは感情をすぐに表に出すタイプ、サラベスちゃんは人をあおり立てる扇動者タイプと性格も違うそうで、分離されたことでより自由を謳歌しているとのこと。ただ「ベストフレンドは誰?」と聞くと、いつも同じ答えが返って来るそうで、アリソンさんは「2人はお互いを指さすとギュッと抱きしめ合うのですよ」と明かしている。
画像は『news.com.au 2022年5月31日付「‘Your little sisters are stuck together’: Conjoined twins’ risky separation surgery」(Picture: Supplied)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)