トルコ南部のアンタルヤで頭部が繋がったまま誕生し、昨年12月に英ロンドンで分離手術を受けた兄弟が今月10日、トルコに帰国した。手術により新しい人生をスタートした兄弟は今月21日に2歳の誕生日を迎えるという。
英ロンドンのグレート・オーモンド・ストリート病院(Great Ormond Street Hospital、GOSH)で昨年12月、頭蓋結合双生児のダーマン君(Derman)とイート・エヴレンセル君(Yigit Evrensel)の分離手術が行われた。
GOSHでは昨年2月、パキスタン出身の頭蓋結合双生児サファちゃん(Safa) とマルワ・ウッラちゃん(Marwa Ullah、当時19か月)の分離手術に成功しており、兄弟の手術には同じ医師らを中心に100人以上のチームが編成され、合計4回の大手術に40時間以上が費やされた。
医師らはバーチャルリアリティや3Dモデリング技術によって兄弟の脳、頭蓋骨、血管などを様々な角度から精査。最新技術を駆使し何度もシミュレーションを行うことで、より速く、確実な手術が可能になったという。
GOSHでの4度目の手術が終了したのは1月28日で、渡英しての手術はトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領とエミネ夫人のサポートにより実現した。
兄弟の父オマーさん(Omer)は、2人の手術について『Channel 4 News』に次のように話している。
「妻が妊娠中、医師に中絶を勧められましたが私たちは同意しませんでした。どの医師からも『誕生しても生存の確率は低く、どちらかが命を落としてしまう可能性が高い。トルコでの手術は不可能だろう』と言われましたが、私は全てを受け入れ息子のために祈り続けました。」