滝つぼに落ちた男性に向かって「しっかり握って離さないで! こっちに来て! 来るんだ! 膝なんか気にしないで! ターバンをしっかり握りしめて!」と声をかけている。
幸いにも5人の素早い行動のおかげで2人の男性は無事に救助され、のちに到着したレスキュー隊によって治療の必要がないことが確認された。救助された2人の男性は「滝に近づかないように」といった注意書きがあるにもかかわらず、近づき過ぎてしまったことにより滝つぼに転落してしまったようだ。
2人は自分たちを救ってくれた5人に対して感謝の意を述べた後、その場を去っていったという。
今回の救出劇について、5人のうちの1人であるクルジンダー・キンダさん(Kuljinder Kinda)は『NBC News』のインタビューに応じ、次のように語っている。
「私たちはどうやって彼らを救助できるか考えたのですが、最初はどうしたら良いのか分かりませんでした。他に助けてくれる人を見つけるため10分ほど歩き回っていたんですが、ターバンを結び合せる方法を思いついたんです。」
「シーク教では『自分たちが持っているものを使って、できる限りのことをして他の誰かを助けるように』と教えられます。その使うものが、たとえターバンであってもいいんです。」
そんな5人のことが報じられると、このような称賛の声があがった。
「ターバンの本来の使用目的は、こういうことだったんだね。」
「シーク教徒は素晴らしい人たちであり、彼らは自分のことは置いておき、他人に手を貸すことを厭わないんです。」
「全てのヒーローがマントをつけてるわけじゃなくて、ターバンをつけている人もいるんだね。」
ちなみに15世紀から18世紀頃の南アジアでは、ターバンを巻くのは上流階級と社会のエリートだけだったようだ。ところがシーク教では「すべての人々が平等である」という教えにより、身分の差に関係なく平等であることを示すために頭にターバンを巻くそうだ。
画像は『New York Post 2021年10月20日付「Sikh men use makeshift rope out of turbans to save hikers in Canada」(Kuljinder Kinda)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)