今月7日、ベネズエラで海上を4日間漂流していた母子3人と乳母が発見された。母親は強い脱水症状ですでに亡くなっていたが、自らの尿を飲み、母乳を与え続けることで子供2人の命を守り抜いたという。『The Independent』『Metro』などが事故の詳細を伝えている。
ベネズエラのミランダ州イゲローテからカリブ海北部のトルトゥーガ島へ向けて進んでいた海洋レジャー用小型船舶“トール号(vessel Thor)”が3日、大きな波を受けて難破した。
小さな救命ボートで脱出したマリエリ・チャコンさん(Mariely Chacón、40)とその息子ホゼ・ダビデ君(Jose David 、6)、娘のマリア・ベアトリス・カンブラー・チャコンちゃん(Maria Beatriz Camblor Chacon 、2)、そして乳母のヴェロニカ・マルティネスさん(Verónica Martinez、25)は4日間の漂流の末、7日に沿岸警備隊によって救出された。この時、マリエリさんはすでに息を引きとっていた。
救出の3~4時間前に亡くなったとみられるマリエリさんは、炎天下の海上でなんとか子供たちに水分を与えようと自らは尿を飲み、子供たちに母乳を与え続けていたそうだ。
そんな母にしがみつくようにして発見された子供たちは、衰弱していたものの母乳で命をつなぎとめていた。また強い日差しを避けるためクーラーボックスに身を隠していた乳母のヴェロニカさんも生還し、3人は強い脱水症状と1度の熱傷などがありすぐに病院へと搬送された。
マリエリさんの死因は強い脱水症状による臓器不全であると公表されたが、ペルーの地元紙『La República』は法医学関係者の検分より「マリエリさんの臓器は(脱水による)電解質の減少によって崩壊していた。授乳によって脱水症状が加速したことが原因だろう」と、子供への授乳がマリエリさんの命を縮めたことを報じている。
ベネズエラの国家海事局(INEA)はこのたびの悲運の事故に関して、