5日午前11時頃、台東県長浜郷の海岸で倒れている男性が巡回中の海岸巡防署隊員に発見された。警察によれば、発見されたのは同居人の女性から捜索願が出されていた男性で、約80キロ離れた花蓮渓へウナギの稚魚を捕りに行ったきり行方がわからなくなっていた。発見された当時、男性は低体温、低血糖、脱水などの症状が見られたものの外傷はなく、意識もはっきりしていたという。
『蘋果日報』が報じたところでは、奇跡的な生還を果たしたのは花蓮県に住む42歳の男性。2日の午後9時頃、花蓮渓の河口へウナギの稚魚を捕りに出掛けたところ、高波にさらわれ海に落ちてしまった。男性は泳ぎが苦手だったが、流れてきた棺桶によじ上り、筏代わりにして南へと漂流したそうだ。5日、大きな波に襲われ再び海へ投げ出された男性は、最後の力を振り絞って岸に向かって泳いだ。海岸に打ち上げられた時にはぐったりとして助けを呼ぶ力も残っていなかったが、幸いにも巡回していた隊員に発見され、病院へ搬送された。
男性は車の塗装業に携わっているが、来月子どもが生まれる予定で、少しでも稼ぎを増やそうとウナギの稚魚を捕まえることにしたそうだ。漂流中、脳裏にあったのは「生まれてくる子に会わずに死ぬわけにはいかない」という強い思いだったという。男性を発見した隊員に対しては、「こどもが生まれたら、命の恩人に第二の父としてこどもに会ってもらいたい」と感謝した。
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(TechinsightJapan編集部 片倉愛)