他のコンビと比較できるものではない。山里自身も「レベルなんか雲泥の差」と前置きしつつ、「でも、解散を決意した人間の顔ってあるのよ」「何を言っても戻る気がないっていう顔」と述べた。
山里が解散を打診された際は自身の悪い部分を認めて何度も頭を下げたそうだが、相方から「山ちゃんは俺って足かせから離れた方がいい」と言われる始末で、何度ポジティブなことを言っても悲しそうな顔だったという。この頑なな態度に、山里は「解散ってことは本人も言うまでにめちゃくちゃシミュレーションして、脳内で決着つけてんのよ」「“もうこの人とは無理だ”って答えを持っていた」と相方の思いを推測した。「足軽エンペラーなんて足元にも及ばないけど、見てて思った」と、終始態度を崩さなかった蛍原徹の決意の固さにかつての相方を思い出していた。
また「覚悟決めた人間の言葉って、凄い言葉に心が乗ってるから、めちゃくちゃカッコいいっていうか、伝わるんだよね」と、蛍原が放つ言葉の説得力に心を掴まれたと語っている。言葉を選びながらも一連の闇営業問題から周囲を差し置いてYouTuberデビューした宮迫博之に対する不信感を隠さず、泣きながら「解散までしなければならないのか」と訴えたFUJIWARA・藤本敏史に対して「1年半毎日泣いて決定したこと」と語った蛍原からは、これまで抱えてきた苦悩やそこから生まれた強い意志が感じられた。そもそも宮迫が出演を最も願っていた『アメトーーク!』で解散を発表したことも、これ以上2人での活動にわだかまりを残したくなかった蛍原の思いがあるのかもしれない。宮迫が彼の気持ちをどの程度汲み取ったのかはわからないが、「言葉に心を乗せて喋るって凄いこと」と語った山里同様に、心を動かされた視聴者は少なくないだろう。
(TechinsightJapan編集部 根岸奈央)