アシェル君はA~Eの5段階中、グレードDの網膜芽細胞腫と診断され、がんとの長い闘いが始まった。
最初は点滴による化学療法を行い、眼科医がレーザーを用いた治療も進めたという。ジョジーさんは「アシェルはずっと嘔吐していたので、洗い替えができるようにシーツではなくタオルの上で寝ていました。顔色が悪く食欲も無く、髪の毛も伸びない酷い状態でした。唇が割れて血が出てしまうので、大きな笑顔を見せてくれることもありませんでした」と治療の苦しみをFacebookの投稿で明かしている。
辛い治療になったものの、治療に対する反応は良好で2015年には化学療法を終えたという。しかし網膜芽細胞腫は別の場所にも発生する可能性が高く、アシェル君も化学療法終了後に何度も再発し、そのたびにレーザーでの治療を行った。
アシェル君が治療を行っている病院「Aflac Cancer Center of Children’s Healthcare of Atlanta」で、固形腫瘍プログラムのディレクターを務めるトーマス・オルソンさん(Thomas Olson)は「網膜芽細胞腫には、遺伝性のものと非遺伝性のものの2種類があります。遺伝性の場合には両親が発症している可能性があるので、出生時に検査を受けます。しかし家族歴がない場合には、発症しているかどうかを知ることは難しいのです」と話す。
今回は家族歴がなかったもののジョジーさんが看護師であり、網膜芽細胞腫の症状を知っていたことが幸いし、アシェル君の異常に気付くことができたのだ。
現在7歳となり右目の視力を失ってしまったアシェル君は、これまでに54回もの麻酔の必要な検査を受け、今も治療を続けている。
ジョジーさんは「アシェルほど強い子は見たことがありません。不満を漏らさずとても前向きで、私たちがやることすべてに喜びを見出しています」と話しており、アシェル君は治療に耐えながらも大好きな空手や野球、レゴを楽しんでいるという。
アシェル君の病気を知ってもらうため、同院が今月12日にFacebookでこの話をシェアすると反響を呼び、ジョジーさんは詳細をインタビューで明かすことになった。
「私たちの経験をシェアすることで、アシェルと同じ境遇にある子を救えるのなら、がんの子を持つ親としての役割を果たせたと思います。」
「完全な治療法が見つかるまで、そしてNIH(アメリカ国立衛生研究所)の予算のうち小児がん研究に充てられる予算が4%を超えるまでは、これからもアシェルのことを話し続けます。」
「私や他の何百万人という、闘病中の子を持つ親の立場で考えていただければ、私の情熱を理解してもらえると思います。」
そしてジョジーさんは「自分の子にいつもと違うことがあれば見過ごさず、医師に相談してください。質問をするだけでも構いませんし、私たちはいつも写真を撮っていますので、それを見せて聞いても大丈夫です。我が子のことは親が一番よく知っていますので、違和感を主張しても問題ないのですよ。だって何が起こるか分からないのですから」と呼びかけた。
画像は『Fox News 2021年7月15日付「iPhone photo helps Georgia mom discover her son’s rare eye cancer」(Courtesy of Josie Rock)』『Josie Brewer Rock 2021年5月13日付Facebook「It’s #retinoblastomaawarenessweek and I will never stop posting about it until there is a #Cure.」』『The Independent 2021年7月15日付「Georgia mother discovers son has cancer from iPhone photo」(Josie Rock)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)