なんと95年前のメッセージと判明した。「濡れていましたが、まだ字を読めたことに驚きましたよ」と当時の心境を明かしたジェニファーさんだが「この手紙は保存しておかなければ」と考えて、地元の博物館で働いているというロブさんの提案により冷凍庫に入れて乾燥させた。
シボイガン郡は小さな街で、同地域には“モロー(Morrow)”という苗字を持つ人が多く住んでいる。そこでジェニファーさんは自身の会社のFacebookに今回の発見を投稿し、ジョージさんと繋がりのある人を探すことにした。
「何人かの目に留まればいいなと考えていましたね。すぐに関係者が見つかって、それで終わると思っていたんです。」
軽い気持ちで投稿したジェニファーさんは、その日は夜も遅かったので眠ってしまった。そして翌朝に目覚めると10万件以上もシェアされ、この話をもっと知りたいと4千件以上のコメントが届いていたという。
「開業してからまだ3年目なので、こんなに注目されて本当にありがたかったです。それと同時に、私は3人の10代の子を持つシングルマザーでもあるので、持ち主を探し出すための時間をどう捻出しようか悩みました。」
そのように心配していたジェニファーさんだったが、それは無用だった。
ジェニファーさんの投稿を目にしたルネ・シャトコースキーさん(René Szatkowski、48)がオンライン上の追悼記事でジョージさんを発見し、そこからジョージさんの娘であるミシェル・プリモーさん(Michele Primeau、74)と連絡を取ることができたのだ。
ミシェルさんは「家族の過去の思い出を大切にしたい」とルネさんに明かしたという。初対面で尚かつ“父親が95年も前に流したメッセージボトルを見つけた”という信じがたい内容だったが、ミシェルさんはジェニファーさんと連絡を取ることを決めたという。そしてルネさんはジェニファーさんとミシェルさんが連絡を取れるように繋げた。
ミシェルさんは「私の父はこうした感傷的なことをする人でしたね。私が子どもの頃、ヒューロン湖にキャンプへ出かけた際にも父がボトルにメッセージを入れて湖に投げ込んでいたのを覚えています」と生前のジョージさんを語った。
なお同郡出身のジョージさんは、1995年に85歳で亡くなったという。
「父は11月生まれなので、誕生月に川に行ってボトルを投げ込んでいるのが目に浮かびます。父は静かでのんびりとした性格で、注目を浴びるのはあまり好きではありませんでした。もし父が流したボトルのメッセージが世界中に広まっていることを知ったら、恥ずかしがると思いますね。」
無事にメッセージの関係者が見つかり、ジェニファーさんはミシェルさんにそのメッセージを返そうとした。しかしミシェルさんは「あなたのオフィスに置いておいたら、たくさんの人に見てもらえるし、多くの人と共有できて素敵だと思う」と明かしたそうだ。
ミシェルさんの考えを受け入れたジェニファーさんは、その代わりとしていつでも無料で船に乗れるようにするとミシェルさんに伝えた。シボイガン川から約400キロ離れたファーミントン・ヒルズに住むミシェルさんは、9月にジェニファーさんのもとを訪れて船に乗ることを計画しているという。
ジェニファーさんは「ミシェルさんが私たちのもとを訪れたときに、宝の地図なんて見つけられたら素敵ですね」と新たな発見を期待し、心を躍らせているそうだ。
画像は『Nautical North Family Adventures 2021年6月19日付Facebook「So look what I found when I was washing windows」』『Nautical North Family Adventures 2021年6月26日付Facebook「Part two」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)