モニエイさんとリアさんの養子縁組が成立し、2人は正式な親子となった。裁判所とZoomでつないだ2人の様子はカメラが捉えており、リアさんはモニエイさんの肩に手を載せると溢れる涙をそっとぬぐった。
そしてモニエイさんも感激の涙をながし、2人は固く抱き合った。
モニエイさんは「あの時の気持ちは、言葉では言い表すことができません。だって母を持つことは私が生涯をかけて望んできたことですから。これまではいつも『ノー』と言われてばかり…。あの日『イエス』という言葉を聞き、『リアが私の母になる』と言われた時は、『これは本当なのかしら!』と思ったくらいです」と当時の気持ちを明かした。
なおフロリダ州では、成人を養子として迎えることは双方の同意と申立書があれば違法ではなく、養子の実母の同意は必要ない。しかしながら養子縁組が成立しやすいのは9歳未満の子供で、18歳を過ぎてから養子として迎えられるケースは非常に珍しいという。
またアメリカの2018年のデータによると、約18000人が18歳になったことを機に施設を退所しており、SCCのCEOであるブレナ・スレーターさん(Brena Slater)は「子供たちのほとんどは心の準備ができないまま、高校在学中に独立を迫られます。ですから養子縁組を考えている人々には、幼い子だけでなく10代の子供たちにも救いの手を差し伸べて欲しいのです」と訴える。
ちなみにモニエイさんは現在、初等教育について学びながらデイケアセンターで働いており、将来は自分でグループホームを立ち上げて家族がいない子供たちを支えたいという。
そんなモニエイさんは、最後にこのように述べている。
「18歳で施設を出た私は、独りぼっちで本当に寂しかったのです。なぜなら私は、一生養子縁組をすることはないと思っていたのです。」
「そんな私が19歳で養子縁組をし、『どんなことでも遅すぎることはないんだ』と身をもって知りました。家族を必要としているのは幼い子供たちだけではないのです。人はたとえいくつになっても、愛に飢えているのですから。」
「私は、私のことを決してあきらめなかった母に心から感謝しています。」
画像は『Miami Herald 2021年4月29日付「‘It’s never too late.’ Florida caseworker adopts 19-year-old she bonded with in foster care」(COURTESY SAFE CHILDREN’S COALITION)』『Good Morning America 2021年5月4日付「19-year-old who aged out of foster care system adopted by former caseworker」(Safe Children Coalition)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)