米ケンタッキー州に住む夫妻は今年初め、6歳の息子と同じ病気を持つ9歳男児を中国から養子に迎えた。男児は病気のため両親に捨てられ、適切な治療を受けられないでいたという。このたび母親が『bgdailynews.com』『Good Morning America』などのインタビューに応じ、養子縁組のきっかけや兄弟の現況について語った。
米ケンタッキー州バーレン郡ボーリンググリーン在住のモニカさん(Monica)と夫のジョシュ・ポインターさん(Josh Poynter Poynter)は今年1月、中国からトレイ君(Trey、9)を養子に迎えた。
夫妻の息子であるタッグ君(Tag、6)は生後2日で重度の血友病Aと診断され、トレイ君も同じ病気を抱えていた。血友病とは遺伝子が関わる生まれつきの病気で、血を固めるための「血液凝固因子」が不足または欠乏している。関節内や筋肉内での出血が起こりやすく、患者は一生涯を通して予防療法などが必要になる。
モニカさんは「家族に血友病を患うものはおらず、血友病と聞いた時は驚きましたが、この病気は予防療法で重症化を防ぐことができるのです」と語り、トレイ君を養子にした理由をこう明かした。
「タッグが誕生した後はなかなか2人目ができず、養子をもらうことを考え始めました。そんな時、米国血友病財団(NHF)の雑誌『HemAware』で『血友病の家族が、中国から同じ病気の男の子を養子に迎えた』という記事を読んだのです。今から10年ほど前の中国では、血友病の子供は養子縁組の対象にならなかったこと、そのため血友病の孤児がたくさんいることも知りました。」
「そして2019年4月、国際的な養子縁組をサポートする『Hand in Hand International Adoptions』を通して、中国で暮らすトレイについて知りました。トレイは2歳の時に捨てられて孤児となり、適切な治療を受けられないまま入退院を繰り返していました。中国では歩くことができず車椅子に乗っていましたが、トレイが笑っている写真を見て『この子を養子にしたい』と思ったのです。」
こうして一家は中国広州市に飛んで2週間を過ごし、