観客が純粋に作品を楽しめるか危惧しているようだ。
これにSNSでは「いやいや全然フラットに観られるよ!」「ごくごくフラットに楽しく見たよ」「俺はまったく気にしない。作品と演者の人格はまったく関係がない」と純粋に作品として鑑賞できるという声がある一方で、「『今この映画をフラットに観てくれる人はいるのか』ってコメントは重い。キツいのはそこなんだよな…」「フラットな気持ちでは見れなかったのでまた観に行きます」「フラットな気持ちで見るにはだいぶ時間がかかっちゃいそう」と役者の背景が気になるという声もいくつもあがっていて、意見は分かれている。
このような作品をフラットな気持ちで観られるかどうかについて、お笑い芸人の千原ジュニアが自身がMCを務めるネット配信番組でコメントしたことがある。2019年11月16日に沢尻エリカが合成麻薬MDMAを所持していたとして逮捕されたが、彼女がヒロインを演じて出世作となった映画『パッチギ!』(2005年公開)について「うちも『パッチギ!』のDVDありますけれども、あの頃の気持ちでもう観られないんですよ。それぞれの役者さんのバックボーンが強すぎて」と出演者の不祥事が作品自身に与えてしまう影響を訴えていた。同作には、他に塩谷瞬、高岡蒼佑、小出恵介らが出演している。
伊藤健太郎は黒木瞳監督の主演映画『十二単衣を着た悪魔』も11月6日に公開予定だが、10月31日に「本作出演の伊藤健太郎さんの逮捕を受け、関係各所と協議を重ねました結果、予定通り11月6日(金)より公開させていただくことといたしました。」と公式ツイッターで発表された。「フラットな気持ちで作品に触れる云々ってめちゃくちゃ大事なことだと思う」という意見もSNSにあったが、余計な雑念を抱かずにただ1つの作品として鑑賞できるということは作品を楽しむうえで大切だろう。今回「フラットに観れない」という人々がいる以上、役者は作品に対してこのような使命も負っているようだ。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)