地元のママグループのFacebookに自分の丸坊主の写真を添え、思いの丈を綴った。
「外出したい。ウィッグが見つからない。病気が心配。イライラして仕方がない。ストレスに押し潰されそう。何かアドバイスがあったら教えて…。」
この投稿を見て行動を起こしたのが、娘がダーナさんの子供たちと同じ学校に通っている看護師のキャロル・デレイ・クックさん(Carol Daley Cook)だった。
キャロルさんは「がんで髪を失った友人が助けを求めている。ウエストまである私の髪で、彼女のためにウィッグを作れないかしら」と考えた。そしてネット上に「どなたか、がん患者のためのウィッグ制作に協力していただけますか?」と投稿し、返事が来るのを待った。
すると投稿から数時間後にフロリダ州タンパに住む女性から連絡があり、カスタムメイドのウィッグを作ってもらえることになったのだ。その後もトントン拍子に話が進み、キャロルさんのもとにはウィッグ制作のための寄付金が舞い込み、キャロルさんを含む5人の女性と、7歳の少女からの毛髪が集まった。
キャロルさんは「7歳の少女は、自分の髪に『ガールズパワーでがんに打ち勝って!』というメッセージカードを添えて、我が家に届けてくれたわ。そして呼びかけから約1週間後には、寄付された髪で作られたウィッグをダーナさんに届けることができたのよ」と興奮気味に話した。
キャロルさんからサプライズのプレゼントを受け取ったダーナさんは、その時のことをこう語っている。
「プレゼントを開けた瞬間、それが何か分かったわ。キャロルは髪をバッサリ切っていたから、そのウィッグが人毛だということもね。だって触った感じが人工毛とは全く違うし、違った色の毛髪がキレイにまとめられていたのよ。それで『ああ、このウィッグは1本1本が特別なんだ。私の人生の中の、本当に特別な人たちからの贈り物なんだ』と胸が熱くなるのを感じたの。言葉では言い表すことができないくらい、最高に素敵な贈り物だったわ。」
実はダーナさんはその夜、頭を剃ってから初めて鏡の前に立ち、髪をとかし、セルフィーを撮ったそうで、「ウィッグを付けていたら、やっと本当の自分を取り戻したような気持ちになって、その夜はウィッグを外すことができなかったの」と嬉しさを隠せない様子で明かした。抗がん剤治療が終了したら、両方の乳房を切除し放射線療法を行う予定だそうで、ダーナさんは最後にこんなメッセージを残している。
「がんになりたい人なんていないわ。でもがんになってしまった時、自分の周りの人々やコミュニティにサポートしてもらうことほど嬉しいことはない。『自分は決して1人じゃない』という気持ちが、がんを乗り越える強さになるのよ。」
画像は『Good Morning America 2020年7月28日付「Mom with cancer surprised with custom wig made of friends’ hair」(Courtesy Dana McSwain)(Carol Daley Cook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)