ジェニファーさんはボランティアを申し出た5人のスタッフらと一緒に壁や天井に貼られたお札をはがす作業に専念した。お札には客のサインやメッセージが書かれているもの、ホチキスで束ねられているもの、米ドル以外のものもあり、作業は古くなったお札がボロボロにならないように慎重に行われた。
その後、ジェニファーさんは1週間半をかけてお札を1枚ずつクリーニングし、数える作業を行った。はがしたお札は全部で約40万円(3714ドル)で、さらに店の苦境を知った顧客らが店に寄付をしたお金を含めると、総額約44万5千円(4104ドル)になった。こうしてジェニファーさんは、バーテンダー4人とミュージシャン2人にそれぞれ600ドルずつを手渡すことができた。
ジェニファーさんは店の様子をFacebookに投稿しており、これがメディアの目に留まり拡散している。そしてジェニファーさんの試みには「みんな大変な時。こうやってシェアできるって素晴らしい」「素敵!」「バーがオープンしたら必ず行くよ」「またオープンしたら、お札を貼ればいいことさ」「早く終息するといいね」といった声があがっている。
なお約3000人が暮らすタイビー島は美しいビーチで知られ、バケーションスポットとして人気である。ジェニファーさんは「これから暖かくなり、本来なら島は多くの客で賑わう時期。店を再びオープンできるのがいつになるかはわからないけど、みんなで気持ちをひとつにしてこれを乗り切ってみせる」と語っている。
ちなみにお札がはがされたバーの壁は黄緑やターコイズブルー、ピンクなどのカラフルなペイントで明るく塗り直されており、ジェニファーさんは“その日”に備えて着々と準備を進めているそうだ。
画像は『Jennifer Knox 2020年3月27日付Facebook「Toy gun gang held for allegedly robbing Cape Town paramedics」、2020年4月4日付Facebook「Heyyyyyy!!!! So we did a thing!!!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)