世界のハイテク産業をリードするシリコンバレーやエンターテインメントのメッカ、ハリウッドを擁する米カリフォルニア州。全米最大の人口を抱える同州では先月19日、他州に先駆け「屋内退避指令(Shelter in Place)」が発令された。
92万5450――これは先週、カリフォルニア州内で処理された失業保険の申請件数である。ギャビン・ニューサム州知事は8日、先月半ばから今月までの3週間に提出された申請書の数は240万件であったと発表した。これはカリフォルニア州の全労働人口のおよそ12%にあたるというから、尋常ではない。
州内の多くの学校が閉鎖されてからかれこれ4週間が経とうとしており、普段であれば大勢の人で賑わうビーチやハイキングトレイルは閑散としている。屋外のバスケットボール場からはゴールネットが取り外され、ロングビーチのスケートパークには大量の土がかけられた。「米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)」は人々の外出頻度を極力抑えるため、食材の買い出しは1~2週間に一度を推奨している。
カリフォルニア州における新型コロナウイルス感染に対する人々の危機感は、3月上旬頃まではまだ薄かった。24時間営業のスーパーは普通に営業していたし、トイレットペーパーの在庫もたくさんあった。「日本の学校が臨時休校」「マスクが売り切れている」と聞いても、まだどこか“対岸の火事”といった気持ちで眺めていたのだ。
人々の危機感が一気に高まったのは先月11日、