エンタがビタミン

writer : tinsight-takazawa

【エンタがビタミン♪】『小説 火の鳥 大地編』第1話を先行無料配信 手塚治虫の構想をもとに桜庭一樹が執筆

4月6日から朝日新聞土曜別刷り『be』にて連載開始、1年間にわたり毎週掲載予定だ。桜庭さんは「まず、手塚先生ならこう描かれたはず、という忠実なアウトラインを引き、その上で、平成のその先へと生きていく自身の感覚と、小説ならではの表現を使って、火の鳥に再び熱い命を吹きこもうとしています。」と構想を語り、「『火の鳥』の名に恥じない大ロマンに。そして、つぎの時代に繋がる新しい物語に。今年、全力で『大地編』を紡ぎたいと思っています。」とやる気満々だ。

黒田征太郎さんのイラスト

また挿絵は、「僕は、手塚治虫になりたかった少年です。」と語るイラストレーター・黒田征太郎さんが手がける。黒田さんは「9歳のとき、戦後の闇市で見た『新宝島』で、疾走する車のタイヤが楕円(だえん)に描かれているのを見て『これだ!』と思った。手塚さんの本を買うために新聞配達をしました。食べるため早く大人にならねばならない時代でしたが、手塚さんは心と頭に深く入り込んでいました。」と幼い頃に衝撃を受けたときのことを振り返り、「昨年手塚さんを追憶する展覧会を開いた後も、手塚さんに質問するような、返答するような気持ちで、気が済まずにアトムの絵を描き続けています。」と長年手塚治虫作品に魅了され続けている。黒田さんは「『火の鳥』には、手塚さんの時空を超えた自己表現がある。これまで、野坂昭如さんや中上健次さんといった作家とつきあってきましたが、桜庭さんは僕からしたら子どものような世代。手塚さんという巨人と、桜庭さんという新兵器に挟まれて、僕がどう反応していけるか、楽しみにしています。」と胸を躍らせる。

イラストレーター・黒田征太郎さん

朝日新聞デジタルでは特設サイト(https://hinotori.asahi.com/)を開設。第1回目の内容を無料で閲覧できるほか、『be』では漫画『火の鳥』の『黎明編』を無料配信中だ。
(TechinsightJapan編集部 高沢みはる)

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