『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『ブラック・ジャック』などの名作を世に送り出した漫画家・手塚治虫。1989年に惜しまれつつも60歳で他界した手塚さんが、1954年から晩年までライフワークとして描き続けたのが『火の鳥』だ。彼の死で未完となっていた『火の鳥』だが、その続編とみられる構想原稿をもとに、直木賞作家・桜庭一樹さんが長編小説を執筆する。4月6日から朝日新聞土曜別刷り『be』にて連載が開始されるが、それに先駆け第1話が「朝日新聞デジタル」にて先行無料配信中だ。
「漫画の神様」の異名を持つ手塚治虫さんが長年描き続けた『火の鳥』は、不死鳥である火の鳥を追い求める人々を通し、人間の尊厳や愚かさを描く壮大なストーリー。「人間とは、生命とは何か」を、約65年前から問い続けている物語だ。その続編とみられる『大地編』の構想原稿が、手塚プロダクションの資料室にて発見された。この原稿をもとに小説を執筆することになった作家・桜庭一樹さんは「実物に目を通したとき心が震えました。」と告白する。「わたしは小学校の図書室で『火の鳥』をみつけ、夢中で読みました。この物語に流れている、命への賛歌、平和主義、そして、人間の気高さを信じる手塚先生から伝わる“悲しみを伴った独特のオプティミズム”から多大な影響を受けて大人になりました。」と同作と自身との密接な関わりを明かした。
『小説 火の鳥 大地編』は、