レース前の2日間は大会を協賛する「パシフィック・アイランド・クラブ・グアム(Pacific Islands Club Guam)」で開催されたエキスポでトークショーが行われた。会場には“Qちゃん”を目当てに多くの人が集まり、グアムのマラソンコースの特徴や効率よい走り方などの楽しいマラソン講義に熱心に耳を傾けていた。
テックインサイトのインタビューで高橋さんは、グアムマラソンについて「心が燃える、気持ちが熱くなる大会。でも簡単にゴールをさせてはくれない手強いコースだけに、それを征した時には大きな感動が得られる。ゴールをした後の海や、明るい雰囲気や、地元の皆さんの応援に支えられる部分が多い。参加者にはコースの過酷さを身体で受け止めてゴールを満喫してほしい」と述べた。またマラソンを通して人生が変わったことをあげたうえで、「マラソンで得た一番の宝物は、人との繋がり。たくさんの人に支えられて、マラソンの楽しさを今でもずっと感じていられること、それを伝えていけることはとても嬉しいこと」と熱く語り、アンバサダーとして活躍できることを心から楽しんでいる様子だった。そんな高橋さんだけに、レース当日は坂道に差し掛かる手前の沿道で「頑張れ~」と声援を送ったり、ゴール直前のランナーの手を取ってフィニッシュラインを一緒に超えるなど、ランナーに笑顔で寄り添い大会を盛り上げた。
「ユナイテッド・グアムマラソン2019」ではレース前に参加者全員にオリジナルTシャツが配られていたが、レース後には完走者全員に完走メダルとビーチマット、完走タオル、タイムが記載された完走証明書が手渡された。そしてランナーにとって何よりも嬉しいのはイパオビーチパークで開催された「ビーチパーティ」だ。海沿いのパビリオンには缶入りの日本茶やスポーツドリンク、バナナやリンゴ、オレンジなどのフルーツの他、グアムならではのスナックが用意されており、参加者たちはそれを口に運びながらまったりとくつろいでいた。またマッサージのテントも設置されており、疲れた身体を癒す人、フォトスポットでトロピカルフラワーや海をバックに記念撮影をする人、Tシャツを着たまま海に飛び込む人など、グアムならではの光景も随所で見られた。
大会を主催するNPO団体「グアムスポーツイベントInc.」によると、このイベントを支えたのはボランティアを含む800人のローカルたちで、コースには15か所のエイドステーション(給水所)が設けられ、水、スポーツドリンクの他、タピオカ、ココナツミルクなどで作ったグアム伝統のスイーツ“アピギギ”やココナツキャンディーなども配られた。ちなみに海外からの参加は全体の44%にあたり、なかでも日本人は全体の20%を占めているということだ。
テックインサイトでは日本人トップランナーにインタビューを行った。
★中村佳樹さん(YOSHIKI NAKAMURA、24歳):男子フルマラソン優勝(2:32:31)
「初フルマラソン。来月結婚予定の婚約者と一緒に3泊4日でグアムを訪れた。コースはアップダウンがきつかった。グアムの皆さんの応援がとても温かく、暑いだけでなくあったか~い、良い大会だった。バイクの先導者の方にも優しくしてもらった。観光ではグアムの恋人岬の景色が最高だった。」
★澤畠朋美さん(TOMOMI SAWAHATA):女子フルマラソン優勝(3:01:18)
「海外のフルマラソンはベルリン、ホノルル、グアムの経験があり4本目。昨年のグアムマラソンは父と一緒に参加して楽しかったので、今年は母も誘って走った。今年は体調が悪く昨年よりも14分くらい遅かった。コースの走り始めは真っ暗でよく見えない状態。グアムはのんびりとして時間がゆっくり流れているところが好き。また来年も参加予定。」
★長谷部匠さん(TAKUMI HASEBE、21歳):男子ハーフマラソン優勝(1:12:00)
「前日の昼過ぎにグアム入り。初海外で、グアムマラソンももちろん初。ランナー仲間と参加。優勝を狙っていた。10キロ手前から独走態勢になったが、暑いし後半の登りがきつかった。来年も参加したい。」
★好士理恵子さん(RIEKO KOSHI、39歳):女子ハーフマラソン優勝(1:29:22)
「招待されて参加。グアムマラソンは初。登りが得意なのでチャンスだと思って走った。元職場の同僚2人とグアム入り。グアムは海がきれいで人が優しい。お買い物も楽しいのでお勧め!」
★MASASHI SASAKI さん(41歳):男子ハーフマラソン準優勝(1:17:25)
「毎日走っている。マラソン大会はフル・ハーフを含めると100回近く参加している。初めてのグアム。叫ぶように応援してくれる人がいて、走る力になった。応援が素晴らしかった。暑いのはわかっていたがアップダウンが思いのほかきつかった。妻と子供と義母とグアム入り。また来年も参加したい。」
ちなみにマラソン優勝者には1,500ドル、ハーフマラソン優勝者には1,000ドル、10km優勝者(熊谷光さん)と5kmラン優勝者には500ドルと、各種目男女上位3名のランナーにはそれぞれ賞金が贈られている。
また、大会に参加した様々な年代のランナーの声を聞いてみた。
★67歳男性(日本):フルマラソン(5:22:45)「グアムマラソンは4回目。14回のフルマラソンのうち海外参加は8~9回。トレーニングは朝少し走るくらい。2泊3日で妻とグアム入り。真っ暗の中を走るのは慣れないが、海外沿いのコースが好き。孫が来たいと望めば来年も参加したい。」
★67歳女性(グアム在住・米国本土出身):ハーフマラソン完走「暑いので、自転車で伴走する夫に水をかけてもらいながら走った。夫なしでは完走できなかったと思う。以前怪我をして走るのは無理と思ったこともあったが、少しずつこの大会のためにトレーニングをして出場した。グアムのイベントの中でも最高に楽しかった。」
★30代女性(日本):10kmラン完走「友達3人でバットマンの仮装をして走った。3人で参加するグアムマラソンは3回目で、楽しいから好き。グアムは人々が温かいし、海がきれい。また来年も参加したい。」
★13歳女子(グアム在住・日本出身):5kmラン(0:26:29)「高橋尚子さんのトークショーでオリンピック選手だということを知った。すごいなと思った。当日、手を振って応援してくれたのが嬉しかった。坂道がつらかったけど、また参加したい。」
★9歳男子(グアム):5kmラン完走「僕の今までの記録は1時間くらいだった。でも今日は45分くらいで走ることができた。母と走った。たくさんの人が応援してくれて、頑張ることができた。」
グアムの一大イベント「ユナイテッド・グアムマラソン」は、5kmランも用意されているため家族で参加することも可能である。興味のある方は、2020年4月5日の大会に参加されてはいかがだろうか。
日本から3時間半、時差も1時間と小さな子どもがいる家族でも安心して楽しめる南国グアム。日本語も比較的通じ、ビーチまで直結のホテルも多い。グアムに何度も足を運んでいるという高橋尚子さんは「グアムで一番好きなのは“海”。常夏の島に行っても実際に海に入るのはグアムだけ。すぐ目の前に海があり、魚を見ることができる。自然を満喫しゆっくりするには最高の場所で、グアムは大好き。いつかグアムの洞窟探検に挑戦したい。洞窟内の透き通った水の中で泳いでみたい」とグアム愛を語った。
グアムの美しい海の中をのぞいてみたいという方は「フィッシュアイマリンパーク(Fish Eye Marine Park)」にある水深10メートルの海中展望塔に行って、付近一帯に生息する熱帯魚を間近で見たり、スノーケリングやダイビングでサンゴ礁の海を堪能するのもおすすめだ。
また家族でグアムに来たら是非足を運んでほしいのが、ゲームセンターでもありダイニングでもある「チャッキーチーズ(Chuck E. Cheese’s)」。グアム・プレミア・アウトレット(Guam Premier Outlets)の敷地内にあり、ピザを頬張りながらスポーツゲームやドライビングゲームなどたくさんの種類のゲームを楽しむことができる。またゲームに勝ってチケットを集めると、枚数に応じておもちゃやキャンディーなどの賞品もゲットできる。家族みんなで楽しめること間違いなしだ。
なおグアム政府観光局では素敵なプレゼントが当たる「ファミリーキャンペーン」を9月30日まで実施している。
◆ファミリーキャンペーン
http://japan.visitguam.jp/campaign/2019/family/
◆取材協力:グアム政府観光局
公式HP http://www.visitguam.jp/
◆ユナイテッド・グアムマラソン
主 催 グアムスポーツイベントInc.(NPO団体)
特別協賛 ユナイテッド航空
協 賛 パシフィックアイランドクラブグアム
後 援 グアム政府観光局
画像提供 ユナイテッド・グアムマラソン、グアム政府観光局
画像は『Guam Visitors Bureau 2019年4月13日付Facebook「United Guam Marathon 2019」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)