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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】世界最悪の大気汚染インド・デリー 望みを託した散水ヘリも視界不良で飛べず

世界で最もPM2.5の濃度が高い大気汚染が深刻な都市とは…!? ワースト20のうち半分をインドの市町村が占めることに大きな注目が集まっているが、なんと頼みの綱として登場した散水ヘリコプターですら視界不良につき飛べないことが分かった。『The Guardian』ほか欧米のメディアが続々と伝えている。

世界保健機関(WHO)が毎年示す、大気汚染が最も深刻な世界の都市たち。PM2.5汚染濃度のワースト5について、近年の常連はアフガニスタンにも近いイランのザーボル、印マディヤ・プラデーシュ州グワーリヤルと同ウッタル・プラデーシュ州イラーハーバードなどである。そしてアジアの大都市に絞った場合のワースト順位は、圧倒的な深刻さで1位がインド・デリー、2位がバングラデシュ・ダッカ、3位がパキスタン・カラチとなっており、中国・北京市は4位である。

とにかく目や喉に痛みが走り、マスクなしでは街を歩けない、換気も怖くてできないと訴えるインド・デリーの人々。ナレンドラ・モディ政権は環境問題にあまり関心がないと批判されていたなか、やっと重い腰をあげたデリー市の当局は国有ヘリコプター会社「Pawan Hans」と手を組み、大気汚染対策として水を上空から散布することを決定した。しかしその作業は14日にストップ。同社のBPシャルマ会長は『The Indian Express』紙に、スモッグがあまりにも厚く濃いことからヘリコプターのパイロットが「視界不良につき飛行不可能」と判断したと説明している。

デリーではここ2年間に肺ガンを発症した患者のうち半数が非喫煙者で、40代や女性の患者も増えているといい、医師らは公衆衛生上の観点から「緊急事態宣言」を訴えている。スモッグがこれほど濃く深刻になるまで対策を怠っていた行政側の責任は非常に重いが、皮肉なことに議会をはじめ政府機関、大統領官邸、首相官邸などが集まるニューデリーには警備上の理由から上空を飛行物が飛ぶことが厳しく禁じられている地区がいくつもあるもよう。雨に期待するしかないそうだ。

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