2010年にはバイセクシュアルであると告白し、実際に女性と深い仲だったことも知られているアンバー・ハード。彼女がこのほどニューヨークにて開催された『Pride and Prejudice Summit』に出席し、こう語った。
「誰かに『カミングアウトした』などと言われると、私は可笑しいなと思う。なぜならそれまでも、別に隠していたワケではないのですから。私は頑固だし、バイセクシュアルであることが悪いとも思っていません。」
たまたま聞かれた質問に正直に答えただけというが、それを機に「あの女優がバイセクシュアルを告白」と大々的に報じられたアンバー。その後メディアと世間の見る目はガラリと変わり、「女優アンバー・ハード」ではなく「レズビアンのアンバー・ハード」と呼ばれるようになったとのこと。当然これが仕事にも打撃を与え、辛い時期が続いたそうだ。
「ええ、影響は確かにあり、辛かったし、容易なことではありませんでした。」
「みんなには、キャリアに絶対に影響が出ると言われていたのです。それでも私は事実を話したのです。」
そんなアンバーも、女性ではなくジョニー・デップと恋に落ち結婚した。しかし彼との関係に堪えられず離婚を申請、さらに「DV被害者だった」としてジョニーに接近禁止命令を下すよう判事に要請したのだが、それさえも世間に批判され人気低迷を囁かれた。
“正直に話す”といったブレない姿勢によるダメージを予測しつつも、自分を偽ることなく生きてきたアンバー。彼女の生き方に共感するファン、LGBT、DV被害者は決して少なくない。その反響を受けて昨年、アンバーは『Porter』誌に寄稿。「DV被害に悩む女性達はひとりで苦しんできたのかもしれない」「でも、どうかひとりじゃないと知ってほしい」と呼びかけていた。今後もアンバーの女優業は続くが、同時にセクシュアリティゆえの差別、DV被害者の苦しみを語る活動家としても活躍する機会が増えるかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)