オクラホマ州のタルサ国際空港で先月29日、末端価格にして20万ドル(約2250万円/ただし50万ドルと報じるメディアも)とみられるコカインが発見された。アメリカン航空の整備士がコロンビアのボゴタからフロリダ州のマイアミに飛んできたボーイング757型旅客機についてメンテナンスを行っていたところ、いわゆる機体の鼻の部分で、気象レーダーやアンテナなど重要なものが収められている“レドーム”からコカインの塊を7つ発見した。
同機はスケジュールの変更により到着地のマイアミではなく急きょオクラホマ州タルサでの整備が決定し、それゆえに密輸行為が発覚した。麻薬探知犬を遠ざけるため、7つの塊はコカインの臭いを遮断するタイヤのグリースを塗った断熱材で包まれていることから、密輸のプロの仕業とみられる。この方法でボゴタとマイアミ間のコカイン密輸が日常的に行われていた可能性も視野に、空港職員に対する厳しい取り調べが行われているもようだ。
飛行機を利用したコカイン密輸の話題は連日のように飛び込んでくるが、やはり注目が集まるのは「運び屋」の不審な死の話題であろう。ポルトガル・リスボンからダブリンに向かって飛んでいたアイルランドの「エアリンガス(Aer Lingus)」機では、ブラジル国籍の24歳の男が大変な興奮状態の末に死亡した。その胃からは小球状に丸められたコカイン80包が発見されたという。
そしてこのたびの事件のように、エアラインの職員が加担したとみられる例も少なくない。南米ベネズエラのカラカスからパリに飛んできた「エールフランス」旅客機で、スーツケース31個の中から1.4トンものコカインが押収されたことがある。警察はその捜査の中で、フランス軍の関係者やエールフランスの職員が事件に関与した疑いがあることを報告し、世間の批判を買っていた。
また麻薬密売組織が考える手口も年々巧妙なものになっている。英ケント州のある倉庫街では、まさに輸送されようとしていた大型トラックの貨物の中からコロンビア産の濃縮コカインが150kgも押収されたことがある。本物のコロンビア産バナナにコカインを忍ばせたプラスチック製バナナを混入させるという手口は、ロンドン警視庁の職員にも衝撃を与えたという。
出典:http://www.airlive.net
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)