今からちょうど1年前にお伝えしていた、コロンビアから中国を訪れていた若い女性の不法薬物所持事件。空港で身柄を拘束されたままになっていた彼女に対し、裁判がこのほどやっと結審した。死刑こそ免れたものの…。
ミス・ワールド・コロンビア次期代表の有力候補といわれ、モデル、そして女子サッカー選手として活躍していたジュリアナ・ロペス・サラソーラ(Juliana López Sarrazola)。23歳の彼女はこれから中国の刑務所で15年もの歳月を過ごすことになる。理由は昨年7月、広東省の「広州白雲国際空港」で不法薬物を所持していたこと。死刑の可能性が高いと伝えられるなど強い緊張を強いられた中、裁判はこのほど広州市中級人民法院で判決の日を迎えた。
ジュリアナは衣類やアクセサリーの買い付けをするためとして中国入りし、所持していた薬物は不法な向精神薬などと祖国では報じられたが、具体的にはコカイン610グラムであったもよう。彼女の出身地であるコロンビア・アンティオキア県のメデジン市は、麻薬王パブロ・エスコバルを生んだコロンビアでも最も危険な麻薬密売組織があり、押収されたコカインの量は個人の快楽の範囲をはるかに超えているため、彼女が密輸、密売に関与していたことは明らかであった。
しかし裁判所は、彼女が母国でセルジオという男から「広州市在住の友人に渡すように」と依頼されていたことに着目した。航空券や宿泊代金もすべてセルジオが負担。彼から8万円ほどの餞別をもらうと、ジュリアナはPCにコカインを詰め込んで“にわか運び屋”に挑戦した。そんな彼女に、コカインを受け取った相手が手渡した報酬はたったの26万円。さらに弁護士は、セルジオはジュリアナに対して「うまくやり遂げなければ家族を殺す」と脅していたとも主張した。
これらを斟酌した判事は、ジュリアナに懲役15年の実刑判決および20,000人民元(日本円にして約31万円)の罰金を言い渡した次第だが、それでも中国の人々は「この判決は非常に寛容。ラッキーというほかない」と驚いているという。
出典:http://shanghaiist.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)