今月11日夜7時半頃、カリフォルニア州北部メンドシーノ郡でハイウェイ101号線を走行していた1台の車が、道路脇からそばを流れるアウトレット・クリーク(Outlet Creek)に転落。車を運転していた大学生、ジェナ・サントスさんが死亡した。助手席に乗っていたナタリー・グリフィンさん(19)は、水没した車から脱出に成功し無事だった。
事故の調査にあたっている「カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール(CHP)」によると、2人は同州ハンボルト郡に住む友人を訪ね、ハイキングなどをして数日過ごした帰りだった。2人が乗っていたのは2004年製トヨタカローラで、カーブを曲がり切れずスリップし横転、そのまま川に転落したとみられている。
ナタリーさんによると、落ちた川は流れが速く、車はあっという間に水没。2人は前方の窓をキックして車から脱出を試みたがパニックに陥ったようだ。
その時の様子をナタリーさんはこう明かしている。
「川に落ちた時は、落ち着かなくちゃって自分に言い聞かせてた。そんな時、後方の窓ガラスが割れているのに気が付いて、ジェナにそこから出ようって伝えたの。ジェナは私の後についてくるものと信じていた。」
「私は必死で水面まで上がったけど、ジェナは見当たらなかった。川の中に引き込まれそうだったけど、無我夢中でそばにあった木の枝に掴まったわ。そして水に濡れないところまで必死で登ると、そのまま明るくなるまで待つことにしたの。」
冬の嵐で外の気温はマイナス2度まで下がっていたが、ナタリーさんは着ていたジャケットで雨や風から身を守った。助けを求める声に応じる者はなくその夜を寝ずに過ごしたナタリーさんは、夜明けを待って対岸まで泳ぎ、高速道路を走っていた車に助けを求めた。
「木にしがみ付いているとき、幻覚を見たの。ジェナが一緒にいて私に話しかけてきたわ。」
そう語るナタリーさんが救助されたのは、翌朝の8時19分のこと。事故から12時間以上が経っていた。低体温症で擦り傷を負っていたため病院に搬送されたものの、その日のうちに退院している。
一方のジェナさんは、岸から90メートルほどのところで水没した車の中で発見された。現在CHPが事故の詳しい原因を調査中だという。
ナタリーさんは「ジェナはベストフレンドでした。私が生きることができるのはあの日ジェナが一緒にいてくれたからです」と語っている。
出典:https://www.thesun.co.uk
(TechinsightJapan編集部 A.C.)