親がミノキシジルの使用をやめると多毛症の症状は改善した。
これを受け、保健当局は乳幼児がミノキシジルに接触した場合、角質層が薄いため皮膚を通して浸透しやすく、薬品を舐めることで容易に体内へ吸収される可能性を示唆し、「心臓や腎臓に悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。
一方、欧州医薬品庁(EMA)のファーマコビジランス・リスク評価委員会(PRAC)は、今年6月の会議で「欧州で販売されるミノキシジルには、乳幼児が多毛症を発症する危険性などについて警告文を盛り込むように」と勧告を出した。
なお、スペインでは2019年にもミノキシジルに関連する事故が発生しており、医薬品製造会社の手違いにより、胃酸抑制薬オメプラゾールのケースに誤ってミノキシジルが混入し、少なくとも17人の子供たちが多毛症を発症していた。
アルゼンチンのニュースメディア『Infobae』によると、スペインは頭が禿げた男性の数が世界で2番目に多く、男性の人口の42.6%がすでに髪を失っているか、薄毛だと報じている。チェコ共和国が世界一で42.79%、ドイツは41.2%で世界3位につけている。
ちなみに多毛症には、生まれつき体が濃い毛で覆われているケースも稀に見られ、今年4月にはフィリピン、ルソン島に住む男児が注目を集めた。男児は2歳で多毛症と診断されたものの、それまで母親は「息子が毛深いのは呪いの影響」と信じていた。
画像は『Gaceta Médica 「Hipertricosis o “síndrome del hombre lobo”: la patología tras los casos de 11 bebés con un exceso anómalo de vello」』『El Economista 「Estos son los riesgos del minoxidil, el fármaco crecepelo que está detrás de los casos de menores con ‘síndrome del hombre lobo’」(Foto: ‘Síndrome del hombre lobo’)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)