病気を改善するための薬が新たに別の病気を発症させるという事態が昨年、スペインで発生した。医薬品製造会社が胃酸を抑える薬のケースに脱毛治療薬を入れて市場に流通させてしまったのだ。これにより20人ほどの子供たちが「狼男症候群(多毛症)」を発症したが、1年以上経った今も症状に改善が見られない子もいるという。『New York Post』などが伝えている。
スペインで昨年、胃酸を抑える医薬品オメプラゾールを服用した後で全身の体毛が過剰に成長する多毛症を発症するケースが確認された。スペインの医薬品製造会社が、胃酸抑制薬のオメプラゾールのケースに誤って脱毛症の治療薬ミノキシジルを混入していたことが原因だった。
薬はシロップ状で当時、新生児から2歳児の約20人がこの薬の影響で多毛症に悩まされた。生後10か月の乳児の親は「服用から2か月後には足を除いて全身の体毛が異常に成長し出した」と話している。しかしこの問題について保健当局が動き出したのは、2019年7月のことだった。
薬に不信感を抱いた家族のグループが弁護士を通じて保健当局に苦情を申し入れ、そこで当局が問題の薬を扱う大手医薬品製造会社「ファルマキミカスル(FarmaQuimica Sur)」を調査したところ、オメプラゾールのケースに誤ってミノキシジルが入っていたことが発覚し、すぐに薬は市場から回収された。
その後、