手術台に横たわるキングの右頬に、キングの頭とほぼ同じサイズの巨大な腫瘍が確認できる。
難しい手術ではあったが手術は無事に成功。右頬から首にかけて大きな手術痕が残ったものの、キングは手術を乗り越えることができた。後日、摘出した腫瘍を検査すると、幸いにも良性のものだと判明した。
手術後、キングはフィラリア症(犬糸状虫症)にかかっていることが判明したため治療を行うことになり、同時に新しい飼い主の募集が開始された。
手術で大きな腫瘍がなくなったキングは、自由に動き回ることのできる新しい生活に少しずつ慣れていき、犬らしさを取り戻した。酷い飼育環境や巨大な腫瘍に苦しんできたキングだったが、非常にフレンドリーな性格で、一緒に散歩をしたりおもちゃで遊んだりしたHSPのスタッフは皆、キングにメロメロになった。
そしてある日、キングはHSPのスタッフと散歩中に、HSPが建設中の新しい里親センター「Sjouwerman Adoption Center」の前を通りがかり、その工事現場で働いている男性に出会った。この男性は、キングとすぐに仲良くなった。
しばらくして、同エリアに暴風雨の予報が出た際に、この男性が「暴風雨の間、キングの世話をさせてもらえませんか?」と申し出た。そうするうちに、フレンドリーで愛らしいキングに惚れ込んでしまった男性は、キングを飼うことに決めた。
HSPが、InstagramやFacebookで「キングに新しい家族が見つかって、私たちはとても嬉しいです」と報告すると、ユーザーからは「キングのストーリーに、涙が出ちゃった」「キングが素敵な人と出会えて本当によかった」「キングも新しい飼い主の人も幸せになってほしい」などといった声が寄せられた。
ちなみに過去にはスペインで、腫瘍で顔が2倍になり、複数の獣医から安楽死を勧められた犬が注目を集めた。この犬は飼い主の必死の訴えで摘出手術が行われ、無事に回復して普通の生活に戻っていた。
画像は『Humane Society of Pinellas Instagram「King’s heroic journey to recovery.」「King update!!!!」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)