闘犬を興奮させるための道具として利用され、愛を知らずに育った犬が保護されて運命の女性と巡り会った。犬は顔が変形するほどの大怪我をしていたが、安心できる場所でたくさんの愛を注がれ第2の人生を歩み出したという。『The Mirror』などが伝えている。
米ワシントンD.C.に住むエリン・ウィリアムズさん(Erin Williams、36)は2020年5月、当時9歳だった飼い犬“エリー(Ellie)”を脳腫瘍で亡くした。愛犬の死は突然のことで、エリンさんは心の傷を埋めるためにエリーと似た犬を探すことにした。
そしてオンラインの里親募集サイトを検索すると、ある犬に目が釘付けになった。それは顔の右半分の皮膚が剥がれて右目の眼球がないメス犬“ハディ(Haddie)”で、エリーとは似ても似つかなかったがなぜか心惹かれるものがあった。
「ハディがつらい過去を生きてきたのは写真を見れば分かりましたが、幸せそうな顔をしていたのが印象的でした」と語るエリンさん。その後も犬の検索をするたびに現れるハディの姿が頭から離れず、エリンさんは数日後、思い切ってハディが保護されていた米カリフォルニア州サンディエゴのペット里親サービス「Mutt Scouts」に連絡をした。2020年の8月のことだった。
すると2、3日後にエリンさんはオンラインでインタビューを受け、あれよあれよという間にハディを引き取ることが決まった。「他に犬を飼っていないこと」「安全な環境を与えられること」などの条件がマッチした結果だった。
実はハディ、メキシコで違法な闘犬の“ベイトドッグ”として利用されていたところを救出され、「Mutt Scouts」が保護していた。ベイトドッグとは闘犬を興奮させたり自信を付けさせるための“餌食”として使われる噛まれ役のことで、