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writer : tinsight-iruy

【海外発!Breaking News】母親を亡くし、食事を摂らなくなったロバ 獣医が24リットルのコーラで命を救う(英)

「要するに、コーラは排水管クリーナーのような働きをしたのです。硬いものを柔らかくすることで、最終的に胃を通過できるようになります」と、その原理を説明した。

また、ダイエットコーラではなく普通のコーラが用いられたのにも理由があった。ロバは食事量が不足すると、体内の臓器を動かすために摂取量以上のエネルギーを消費し始める“負のエネルギーバランス”の状態になるという。重要な臓器の動きを維持するために、自身の脂肪を分解してエネルギーを作り出す。この状態が続くと臓器にダメージが出てしまい、最終的には死に至る可能性もあるため、カロリーの多い普通のコーラを使用することになった。

合計24リットルものコーラをロバの胃に直接流し込むことで、胃に詰まっていた塊を柔らかくしたという(『The Donkey Sanctuary 「JOEY FIZZES BACK TO FULL HEALTH」』より)

今回は獣医であるジェイミーさんの適切な判断によりコーラを使用することになったが、「特に問題のない健康なロバにコーラを与えないように」と、ジェイミーさんは注意を呼びかけている。

ジョーイが食事を摂らなくなったのは、昨年11月に高齢だった母ロバを亡くしてからのことだった。ジョーイの世話係であるケイリー・イェランドさん(Kayleigh Yelland)は、「ジョーイはずっと母親と過ごしてきたので、母親が亡くなったのはジョーイにとって非常に大きな変化だったのです。かなり神経質になり、誰とも一緒にいたがらなかったですね」と、当時を振り返る。

治療の間もジョーイのもとを訪れて世話をしていたケイリーさんは、「私たちの訪問が、治療に関係するものではないとジョーイに感じてほしかったのです。会いに行くたびに、ジョーイを撫でて安心感を与えることで、ポジティブな経験だと捉えてもらいます。これを繰り返すことで、私たちはジョーイを安心させるために来ているのだと、ジョーイが理解する手助けになるのです」と明かしている。

コーラによる治療を4日間受けたジョーイは、胃内部を確認するために再び胃カメラ検査を受けた。獣医やスタッフの献身的な努力が功を奏し、胃の中にあった大きな塊は消えていた。ジェイミーさんは、「ジョーイが無事に回復して、本当に良かったです。詰まりの状態が非常に深刻なものだったので、治療を続けるべきかどうかの判断は難しかったですが、幸いにもジョーイは危険な状態を乗り越えました。ジョーイには生き抜く力があると信じていたので、辛抱強く治療を続けたのです。良い結果になって本当に嬉しいですね」とコメントしている。

なお、ジョーイが治療を受けている間、ケイリーさんはロバの“ベン(Ben)”を新しい友人としてジョーイに紹介していた。ベンも一緒に過ごしていた仲間を亡くしたばかりだったと言い、ジョーイとベンが同じ悲しみを分かち合うことで、友情が芽生えるのではないかと考えてのことだった。ケイリーさんの計画は上手く進み、治療を終えたジョーイは、ベンと一緒に食事をしたり追いかけっこをしたりと仲良く過ごしているそうだ。

画像は『The Donkey Sanctuary 「JOEY FIZZES BACK TO FULL HEALTH」』『Yorkshire Wildlife Park X「What happens when a Polar Bear has tooth ache?」』『Metro 「World’s largest gallstone is removed from elephant by 20 vets」(Picture: Viral Press)、「Pufferfish’s teeth are so big it needs to see a dentist」(Picture: SWNS)』『The Veterinary Health Centre Ltd Facebook「Everyone meet Suki!」』『News24 「PICS: Lion, named Chaos, goes for his first radiation session for skin cancer at Tshwane clinic」(Supplied: Kara Heynis)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)

英サウス・ヨークシャー州のサファリパークで2021年10月、体重約600キロの大きなシロクマが虫歯になり、動物専門歯科医の治療を受けた(『Yorkshire Wildlife Park X「What happens when a Polar Bear has tooth ache?」』より)

タイのエレファント・キャンプで2021年、ゾウが腹痛を起こして倒れる。獣医の診察で胆石が見つかり、世界で2例目となる摘出手術が行われた(『Metro 「World’s largest gallstone is removed from elephant by 20 vets」(Picture: Viral Press)』より)

英ランカシャー州の動物病院で2021年2月、脚を骨折したハムスターの手術が行われる。体重20グラムの小さな体の手術は、針に糸を通すような繊細なものだった(『The Veterinary Health Centre Ltd Facebook「Everyone meet Suki!」』より)

南アフリカの動物園で飼育されているライオンが2019年5月、皮膚がんと診断されて放射線治療を受けた。体重260キロのライオンは麻酔をかけられ、一般の私立病院に運ばれたという(『News24 「PICS: Lion, named Chaos, goes for his first radiation session for skin cancer at Tshwane clinic」(Supplied: Kara Heynis)』より)

イギリスの動物病院で2022年、歯が伸びすぎてしまったハリセンボンの治療が行われる。上の歯を獣医が半分に削ったことにより、ハリセンボンは再びエサを食べられるようになったという(『Metro 「Pufferfish’s teeth are so big it needs to see a dentist」(Picture: SWNS)』より)

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