その翌日、パース南に位置するロッキングハム・ビーチの沖合、50~70メートル付近にいるのが確認された。
2日間で2度も浅瀬に入り込んだこのクジラについて、「生物多様性・保全・アトラクション省(Department of Biodiversity, Conservation and Attractions、以下DBCA)」は、「個体は全長15メートル以上、体重30トン以上で、休息する場所を探していたのかもしれない」と明かし、同省スワン沿岸地区マネージャー、マーク・カグリーさん(Mark Cugley)は次のように語った。
「あの個体は今月10日、ボートと衝突した。それで危機を回避し、再び岸に近づいてきたのかもしれない。ただ11日の朝には砂州の上にいるのが確認されていて、そこから移動できなければ安楽死させなければならないだろう。」
なおDBCAの科学コーディネーター、ケリー・ウェープルズ博士(Dr. Kelly Waples)は、「普段は海中にいるクジラが砂州の上にいるということは、30~35トンの体重が内臓を押し潰しているということ。これだけの圧がかかるということはとても悪い状況だ」と述べ、クジラがかなり弱っていることを指摘した。
さらにDBCAは、弱っているクジラを目当てにサメが寄ってくる可能性もあるとしてビーチを閉鎖して監視を続けており、11日午後には日焼けや水ぶくれを最小限に抑えるためにボートからホースを使ってクジラに水をかけ始めたそうだ。ただし、動物の福祉を最優先に考え、苦しみが続くようであれば安楽死させるという。
ちなみに「クジラ・イルカ保全協会(Whale and Dolphin Conservation)」によると、浅瀬に1頭でやって来るクジラの原因は老齢、病気、怪我、方向感覚を失ったことなどが挙げられるそうだ。
画像は『NEWS9 Live 2023年12月12日公開 YouTube「Super Exclusive: “Rare Encounter: Majestic Whale Joins Swimmers at Australian Beach!”」』のサムネイル、『Australian Broadcasting Corporation 2023年12月11日付「Sperm whale stranding in Rockingham brings crowd to beach as authorities consider euthanising animal」(Supplied)(Supplied: DBCA)(ABC News: Nicolas Perpitch)』『Texas Marine Mammal Stranding Network 2022年4月13日付Facebook「The dolphin in these photos stranded alive on Quintana Beach,」』『TMZ 2023年8月24日付「BABY DOLPHIN FOUND DEAD After It Was Used For Instagram Photo-Op」(WJXT)』『Saken Dildakhmet 2020年7月8日付Instagram「За жестокое обращение с тюленем люди будут привлечены к ответственности」』『RSPCA Frontline 2021年10月26日付X「#GreatYarmouth more thoughtless humans approaching,」「Warning Graphic Footage」』『Coconuts Jakarta 2020年7月7日付「A Whale Lotta Love: North Sulawesi residents smother beached baby orca with hugs and kisses」(Facebook/Meiva Pontoh)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)