警戒することなく口にした。
ところがその数時間後、フェルナンダさんの体調に異変が生じ、目は霞み、めまいがして嘔吐が止まらなくなってしまった。尋常ではない苦しみに、フェルナンダさんは家族に次のようにテキストメッセージを送っていた。
「心臓がバクバクして吐いてしまったわ。でもまだ口の中に苦い味が残っていて、視界もぼやけてとても調子が悪いの。転びそうになって、貯水タンクに寄りかかったわ。天に召されてしまいそうなほど具合が悪くて、なんでこんなことになっちゃったのかしら…。」
フェルナンダさんには胃炎や潰瘍などの持病があったため、家族はそのせいかと思ったが、彼女から占い師との出会いについて聞かされるとただ事ではないと察した。そしてフェルナンダさんは午後11時頃にサンタ・カーサ・ダ・ミゼリコルディア病院を訪れたが、到着した直後に鼻血まで出るようになった。
そのうち呼吸が苦しくなり、口から泡を吹き始め、フェルナンダさんは9歳のひとり娘を残したまま、翌4日の早朝に亡くなった。ブラジルのニュースメディア『Hugo Gloss』によると、家族はフェルナンダさんの遺体を納棺したものの、その死に納得がいかなかったため警察に検視を依頼したという。警察では検視の結果を踏まえて化学物質の出所を突き止めるべく、フェルナンダさんにチョコレートを手渡した占い師の行方を追うとともに、彼女が死亡する前に他に何を食べていたかなど調査する予定とのことだ。
フェルナンダさんの突然死は家族を困惑させたようで、彼女の従姉妹のルメニータ・ヴァロスさん(Lumenita Valoz)は「フェルナンダさんにこんなことをする動機を持つ人物を私は思い当たりませんが、人の心の中は誰にも分かりません。彼女を殺害するように誰かが命じたのか、それとも占い師が自分の欲求を満たすためにやったのか、真相は警察に突き止めてもらうしかありません」と語っている。
警察では、フェルナンダさんの死を殺人として捜査を続けているが、今も犯人の逮捕には至っていないようだ。
ちなみに今年8月にはアメリカで、同じアパートの住人宅の玄関内に毒性の物質を注射器で注入した男が逮捕された。男は化学の博士号を持っており、在籍していた大学から化学物質を盗んで調合し、同じアパートの住人家族を毒殺しようとした。幸いにも被害に遭った住人は異変に気づき、玄関前に監視カメラを設置したことで男の犯行を捉え、逮捕に繋がったという。
画像は『New York Post 2023年10月2日付「Woman killed by chocolate from palm reader who said she was going to die soon: reports」(Jam Press)、2023年8月25日付「Ex-chemistry student accused of injecting opioid under neighbor’s door used university lab to mix dangerous toxins」(News Chanel 8)、2019年3月5日付「Teen thought it would be ‘funny’ to spike stepfather’s drinks with tranquilizer」(Rock County Sheriff’s Office)』『news.com.au 2023年8月9日付「Ex-husband of mushroom chef Erin Patterson ‘almost died’ from sudden gut illness, was invited to doomed lunch」(Picture: Jason Edwards)』『The Sun 2021年9月11日付「FOOD ADDICTS Street food seller arrested for ‘adding OPIUM to his dishes’ to get ‘addicted’ customers coming back for more」(Credit: Lianyungang Haizhou Police)』『Heavy.com 2018年12月21日付「Yukai Yang: 5 Fast Facts You Need to Know」(Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)