もう1人の店員が窓口のドアを閉めてしまった。その後、アロニアは一度画面から姿を消したが、なんと拳銃を手にして再び窓口の近くに戻って来たのだ。そして閉まっていた窓口のドアを開けると、持ってきた銃でアンソニーさんを狙い、発砲した。
拳銃を見たアンソニーさんは驚き、急いで車を発進させて逃げ出したが、アロニアは窓口から身を乗り出し、アンソニーさんの車に向かって複数回発砲した。幸いにも、アンソニーさんや助手席に座っていた妻、後部座席にいた娘にも弾丸は当たらず、全員無事だった。車にも被害は無かったという。
この一件で、アロニアは凶器を使用した加重暴行罪の疑いで逮捕・起訴された。しかし公式文書によると、最終的には起訴時の罪よりも軽い犯罪行為と認められ、1年間の判決延期を受けて今年6月に保護観察期間を終えている。
またアンソニーさんは昨年から、アロニアと「Jack-in-the-Box」、および経営会社の「A3H Foods」を相手取って訴訟を起こし、「今回の銃撃事件が、精神的苦痛や不安、恐怖を与え、神経質になってしまった」と訴えた。また、後部座席にいた娘は、銃撃事件を目の当たりにしたせいでカウンセラーのもとに通っているとも主張しており、少なくとも25万ドル(約3700万円)の損害賠償を請求した。
弁護士のランドール・キャリネン氏(Randall Kallinen)は、「彼女は威嚇のために上空へ発砲したのではなく、窓口に寄りかかって狙いを定めており、殺そうとしていたのです」と、公開された映像について見解を述べた。
こうした訴えに対しアロニアは、「私は映像の中のような狂った怪物なんかじゃありません。家族のために働くごく普通の女性です。フライドポテトなんかのためだけに、銃を取り出して発砲なんかしません」と主張し、差別的な発言を受けたとも述べているようだ。
店員から発砲を受けるという衝撃的な映像は大きな話題を呼んでおり、「ポテトを取ってきて渡せばいいだけなのに」「ファストフード店に行くだけでも、銃で撃たれる心配をしなくちゃいけないのか」「こんなのありえない」などのコメントが寄せられていた。
なお昨年6月には、「マヨネーズが多すぎる」と激昂した客が発砲し、サブウェイ店員が死亡したケースが注目を集めていた。
画像は『New York Post 2023年9月27日付「Drive-thru shooting — over missing curly fries: wild video」(Attorney Randall Kallinen via Storyful)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)