キャッシュとの会話がこのように続いた。
キャッシュ「病気(SICK)」
リーさん「キャシュは病気なの?(CACHE SICK?)」
キャッシュ「友達、友達だよ(FRIEND FRIEND)」
リーさん「誰が病気なの?(WHO SICK?)」
キャッシュ「ママだよ(MOM)」
なんとキャッシュは、ボタンを使ってリーさんが病気だと伝えたのだ。これにはリーさんも驚いたようで、動揺気味に「ママが病気なの? 私の知らない何かを知ってるのね?」と呟いていた。この時リーさんはキャッシュの言葉をあまり信じていなかったが、その5時間後に急に吐き気を感じ、自分が病気であることに気づいたという。
その後、リーさんの体調は回復したようで、彼女はメディアのインタビューに応じてキャッシュがおしゃべりボタンを使えるようになるまでのことを次のように明かした。
「全ては実演ベースだったんです。ご褒美のおやつも使いませんでした。たとえば、外に出る時は『外』のボタンを押すという感じでした。でも一旦使えるようになると、私たちは会話が楽しくて仕方ありませんでした。キャッシュは当初、『SICK』という言葉を理解するのに苦労したんです。彼はこれをネガティブな感情だと勘違いしていたのです。」
「『SICK』ボタンは私が1年前、インフルエンザにかかった時に設置したのですが、キャッシュは私が泣いている時も『SICK』ボタンを押すようになったんですよ。その時は『面白いなあ』と思いました。でも私がいつ具合が悪くなるか、前もって教えてくれたのは今回が初めてです。キャッシュは私の身体から何かを嗅ぎ取ったんだと思います。」
ちなみに、ノンフィクション書籍『世界ではじめて人と話した犬 ステラ』の著者クリスティーナ・ハンガーさん(Christina Hunger)は、言語聴覚士としてコミュニケーションに苦労している子供たちを指導しており、そのテクニックを愛犬ステラにもおしゃべりボタンを使って応用したという。ハンガーさんは「犬は言葉を理解できるのです。ただ言葉を伝えるために別の方法が必要なだけなのです」と述べている。
画像は『Nottinghamshire Live 2023年8月11日付「Dog told owner she was sick hours before symptoms using buttons」(Image: Christina Lee/SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)