ついに適合者が現れた。
それはローマン君が通うホウィットマー高校の数学教師であるエディ・マッカーシーさん(Eddie McCarthy)だった。エディさんはその経緯について、次のように語っている。
「2月中旬頃、Facebookか何かでローマン君の話題が拡散していました。すると友人の一人が『彼は君の生徒じゃない?』とメールをくれたのです。昨年、ローマン君に幾何学を教えていた私は、そのニュースを知ってすぐにドナーの適合検査を受けに行きました。最初は腎臓を提供したいというより、合うかどうか試してみよう、うまくいくかどうか見てみようと思っていたのですが、私たちは見事に適合したのです。それから私は病院に通い続け、移植手術に必要な検査をすべて受けました。」
待ちに待った朗報を受けたダンさんは「息子のドナーが見つかったという事実は、私たちにとって本当に意味のあることでした。私たちが生体ドナーを探していた理由は、亡くなったドナーから提供される腎臓に比べて機能がより長持ちするからです。エディさんには感謝してもしきれません」と述べ、一方でジェイミーさんは「エディさんは本当に素晴らしい人です。彼だけでなく彼の家族もとても献身的なのです。私たちはエディさんに一生感謝し続けるでしょう。そしてローマンのこの体験談が、同じように辛い思いをしている家族を勇気づけられることを願っています。私からのメッセージは決して諦めないことです。時にはジェットコースターに乗っているような気分になることもあるでしょう。それでも諦めず、子供を応援し続けるのです。そしてもうひとつのメッセージは、人々に検査を受けてほしいということです。運転免許証に『私は臓器提供者です』と印をするだけでなく、今すぐ誰かを助けることもできるのです」と話していた。
それから5か月が経った今月19日、ミシガン大学病院でエディさんからローマン君への生体腎移植手術が行われ、無事に成功したという。
腎臓移植ドナーになることに迷いはなかったというエディさん。2児の父親でもある彼は、手術前にこう述べていた。
「数学教師である私にとって、自分の腎臓を提供することは単純な計算でした。人には腎臓が2つあって、必要なのは1つなのです。だから本当に必要としている人を助けるために1つを提供するのです。私が伝えたいことは、本当に腎臓を必要としている人を助けるために検査を受けてみることです。私は自分の生徒を助けられることをとても嬉しく思っています。」
画像は『Good Morning America 2023年7月14日付「High school teacher getting ready to donate kidney to student」(Courtesy of Washington Local Schools)(Courtesy of Jamie Redd)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)