米ワシントン州のスキー場で先月3日、スキーヤーの男性が雪の中に生き埋めになったスノーボーダーの男性を発見、冷静な判断で見事救出した。一刻を争う必死の救出の様子は男性のボディカメラが捉えており、先月末にInstagramに投稿されて注目された。米シカゴの地元テレビ局『ABC7 Chicago』などが伝えた。
米ワシントン州のマウント・ベーカー・スキー場で先月3日、スノーボードを楽しんでいたイーアン・ステガーさん(Ian Steger)が雪の中に頭から突っ込み生き埋めになった。イーアンさんはコースを外れて滑走中、木の周りにできる穴、“ツリーホール”にはまって抜けなくなり、ボードを雪上に残したまま体が完全に埋まってしまったという。
「死を覚悟した」というイーアンさんだが、幸運なことにスキーヤーのフランシス・ツーバーさん(Francis Zuber)がたまたま近くを滑降、雪の上に突き出していたボードに気付いて近づいた。
「雪上に赤く光るものが見えてね…。コース外でそんなものを見ることなんてないから『何かがおかしい』とピンときた。そして『大丈夫かい?』と問いかけてみたけど、返事はなかったね」と当時を振り返るフランシスさん。さらに近づくと、雪から突き出しているのは人間の足が固定されたままのスノーボードであることに気付き、ここからフランシスさんの必死の救出が始まった。
当時のボディカメラの映像では、フランシスさんがスキー板を外し「待っててくれよ。今行くからな!」と声を掛け、ボード周りの雪を両手で掘り始めるのが見て取れる。
一刻を争うだけにフランシスさんの息遣いはかなり荒いが、掘り進めていくとまず、イーアンさんの片腕が自由になり、その後ゴーグルが見えてくる。するとフランシスさんは、イーアンさんの口の周りの雪を払い、とりあえず呼吸を確保した。
フランシスさんは「大丈夫か? 今、助け出すぞ! 呼吸はできるかい?」と話しかけるのを止めず、イーアンさんは苦しそうにしながらも、「イェア(Yeah、呼吸はできるよ)」「ありがとう」などと答えている。
フランシスさんはその後、